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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第10章 ストラップの行方


売店の外に出ると辺りはあっという間にオレンジ色に染まっていて、砂浜を埋めつくしていた潮干狩り客の殆どが帰り支度を終え出入り口へ向かっている
着替え一式を購入したあの男は、コナンの思惑通り更衣室へと向かったのだろうか…
零と2人並んでコナンが男を待っているであろう更衣室へと足を進めた

「あー…いたね…」
「あとはコナン君に任せても大丈夫そうだ」

視線の先には更衣室前で例の男を引き止めているコナン
その男は売店で買ったばかりの物を身に付けていたが、ズボンはオレ達が売店で見た時のまま、ふくらはぎまで捲ったスーツだ

「俺は普通に潮干狩りをする為に短パンに履き替えようと…」
「みんな帰り支度してるよ?今から始めるの?」
「そんなの俺の勝手だろ!」

コナンの言葉に引き下がろうとせず全て反論で返す男の焦りといったらものすごく怪しい
何を言ってもこの名探偵には無駄なのに…

「それにさ、ストラップの頭がチロっと見えてるし…」
「な、何っ!?」

いや、男のどこにもストラップの頭なんて見えていない…はったりを上手く使ったな…
そのはったりにまんまと引っかかり、男はゴソゴソと肩掛けカバンの中を確認し、ぬいぐるみストラップを握って取り出した

「バーカ、ちゃんと隠れてる……ハッ!!」

バカはどっちだよと言ってやりたい

「やっぱりオジサンだったんだね…比護選手のぬいぐるみストラップを奪ったのは…」

「クソっ!」

男はストラップを持ったままコナンに背を向け走り出した
追いかけようとしたが既にコナンが靴に手をやり反撃しようとしていたので、一歩踏み出した所で留まる

コナンの靴はダイヤルを回すとバチバチと電気を帯び、ベルトのボタンを押せばサッカーボールが飛び出してくる
そして思い切り男目掛けてサッカーボールを蹴った

「修…学…旅行っ!!!」

え、なんて?


ドゴッ━━!


「グェ…!」

コナンの蹴ったサッカーボールは見事男の背中に命中し、男は砂浜へと倒れた
その拍子に握られていたストラップは手から飛び出し宙を舞う
飛んで行った先の歩美ちゃんが両手を伸ばしたが、

「わっ…」

ストラップは歩美ちゃんの手でバウンドし、

「ちょ…」

それを受け取ろうとした光彦の両手でもバウンド、

「くそっ!」

元太の片手でもキャッチできず、最悪なことに海の方へと飛んで行く

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