第9章 純黒の悪夢
「零がここにいるってことは、爆弾の解除は済んだんだね!」
「あぁ、ギリギリだったがな…」
爆弾を解除したから奴らは直接的な攻撃を仕掛けてきたのだろうと零は言う
奴らのペースに乗せられていると思っていたが、自分の見えないところで零や赤井、コナンが動いて少しずつペースを乱していってるんだ…
「風見の方はどうだった?」
「それが…」
奴らが軍用ヘリでゴンドラごとキュラソーを奪還しようとしていたことから順に話していく
ゴンドラに辿り着いたら風見意識を失って倒れていたこと、キュラソーが記憶を取り戻しゴンドラから逃げ出したこと、ゴンドラごと3人で落下したこと…
怪我はないかと聞かれたけれど、全身打撲の様な痛みがあるのは内緒にしといた
「風見には下に降りて避難誘導の指揮をしてって任せてきた。キュラソーに関しては行方が掴めてないけど、どうしてゴンドラから逃げ出したのか、それが気になるんだよね…」
組織が迎えに来てることを知らないでいて自分で逃げ出そうとした、または組織を裏切った、他にゴンドラを出ざるを得ない何かがあったか…
考えられることを零は口にしていく
「いずれにせよキュラソーを確保しなければならないことに変わりはない」
「そうだね、組織よりも早く…」
ピタッと弾丸の音が止まった
弾の補充でもしているのだろう、零と顔を合わせ頷き、今のうちに移動を開始しようと動き出す
零は通路に置いていた赤井のライフルバッグを拾い、あまり刺激をしないようにと言いながら背負った
なぜならその中には回収した爆弾を起爆装置と共に入れてきたと言うではないか
全てではなくまだ半分は車軸に残っているらしいけど、爆弾の回収をする時間もあっただなんて、どれだけ早く起爆装置の解体をしたんだろう…さすがだ…
あちこち瓦礫が転がっている通路を走りコナンや赤井の行方を探す
するとポケットのスマホが震え、取り出して確認すると先程繋がらなかった哀ちゃんからの着信だった
「哀ちゃん!?」
『まさかとは思うけど、あなたも観覧車?』
あなた"も"ってことは哀ちゃんも観覧車に?
やっぱり風見の言ってた観覧車に乗ってしまった子ども達って…
「確認だけど、今あの子達と一緒?」
『えぇ。観覧車に乗ってる3人を外から見つけて、それを追ってきたの。今ゴンドラ内で合流したところよ』
