第9章 純黒の悪夢
弾丸は嵐の様に撃ち込まれ、少し動けばランダムに追ってくる
攻撃対象が外れた一瞬を見計らってコナンと一気に駆け出すが、すぐに標的となりなかなか前へは進めない
電気さえついてくれれば奴らの攻撃も止まる筈だが、復旧するよう設定してきた制御室のシステムはなかなか作動しない
やはり奴らは送電システムごと破壊したのだろう…これでは完全に奴らのペースだ…
「リュウこっちだっ!」
弾丸に追われるように通路を走り、階段を駆け上がる
床に突き刺さった弾丸により飛び散った破片が足元を掠めているが、ここで止まっては身体が穴だらけにされてしまいそうで止まれない
「うわぁっ!」
「コナン!!」
飛んだ破片に足を取られたのか、コナンは倒れながら床を転がり、その勢いを利用して機材の影に滑り込んだ
少し離れた後ろを走っていたオレはそれを追って機材の影に入り、2人並んで乱れる息を整える
コナンが転がった拍子に落としてしまった眼鏡を拾おうと手を機材の外に伸ばすと、空かさず銃撃されてしまい眼鏡が砕け散っていく
「クソォ…動いたらすぐに狙われる。このままじゃ何もできねぇぞ」
「銃撃が一定時間止まった時があったよね。きっと弾の補充をしながら撃ち込んでるんだと思う」
そのタイミングを待とうと提案し、極力身体を動かさない様に身を潜めた
するとそのうちに銃弾の音が一箇所に集中している様に聞こえてきた
「誰かが狙われてる…?」
零か…赤井か…それとも…
位置から割だそうとしても、こんなにも破壊されてしまっては今自分がいる場所の把握ですら難しい
ただなんとなくわかるのは、ゴンドラの落下が消火栓の場所よりも少し下の方だったということ
だから階段を上がって行けば零の所に辿り着くと思うが、その階段すらも所々破壊されていて、ルートを考えて進まなければならない
「動くなら今のうちだ」
「うん。爆弾も心配だから、オレは消火栓を目指してみる」
オレが爆弾…つまり零の所へ行くとなれば、コナンは赤井を探すだろう
通路を走り行き止まりで立ち止まると、所々足場が崩れた階段があった
傾いてはいるが手すりを伝って上れば行けそうで、一歩一歩足場を確認しながら慎重かつ急いで上っていく
足を置く度足場がパラパラと崩れるが、上り切るまであともう少しだ!
そしてあと2段という所で強く踏みしめたその途端…
「わっ…!」
