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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第9章 純黒の悪夢


「昼間に観覧車で発作を起こしたのは、あのライトアップを見たからに違いないよ」

夜になった今、ライトアップの濃度はこのカードとほぼ同じ…だとすると今度は完全に…

「ライトが全て重なって見えるのはゴンドラが頂点に達した時…今度こそ彼女の記憶は完全に回復すると思う」

コナンの言葉に嫌な予感ばかりが過ぎっていく
記憶が回復したら、今一緒にいるであろう風見が危険だ
そしてそのまま組織がキュラソーを奪還してしまったら、NOCリストが奴らの手に渡り世界中の諜報機関がパニックになる

「急ごう!」

観覧車内部を把握しているオレが先頭を切って通路を走り、その後ろをコナンが着いてくる
階段を数階分駆け上がり、ここへ来た時から目指していた観覧車の頂上である地上100mを超える場所へとようやく到着することができた
上空は風が強く煽られない様に足とを踏ん張る
そして真上の暗闇からはババババ…と、ヘリにしては重々しいローター音が聞こえてくる

「奴らはもう近くまで…」

オレが見上げた先をコナンがメガネのつるに指をやり、音のする方を確認する
そういやそのメガネも博士の発明品だと言っていた
ちらりと横から覗き込むと、右レンズには望遠鏡の様に拡大された暗視映像が見えている

「暗くて距離もあるから形まではわからねぇけど、軍用機っぽいヘリが飛んでる」
「軍用機って…」

またとんでもないモノで来たもんだ
とにかく奴らが動く前に風見達のゴンドラを探さないと…
そう思った時だった

観覧車を中心にパークの外側から照明が消え、軽快に鳴っていた音楽もなくなり、最終的にはオレ達のいる観覧車エリアも真っ暗闇に包まれた

「クソォ…始めやがった…」
「このタイミングか…!」

辺りが静かになったとこで地上からのざわめきが遠く聞こえ、そしてそれをかき消す様に頭上からローターの回転音が近付いてくる

「…まさかあれでゴンドラごと!?」
「何が起きてる!?」
「ヘリから巨大なアームが出てる!あれでゴンドラごと掴む気かも!」

メガネのズームで見上げるコナンが焦りだした
ゴンドラごと持っていかれてしまっては風見も連れて行かれてしまう!

「ゴンドラの確認を急ごう!」

暗闇の中レールの上を歩き始めると、

「あれは!?」

ゴンドラの方に目線を落としたコナンが、メガネ越しに何かが動いたのを見た様だ
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