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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第9章 純黒の悪夢


「例の機体を用意しろ…アレの性能を試すのにいいチャンスだ」

そう言って通話を切ったジン
機体とは…アレとは…?

「まさか本気でアレを使う気じゃ…」

ベルモットが聞き直すという事は普通では使えないものすごい物を出すつもりなのだろうか
一体何を使って何を始める気なんだ…

「兄貴!ダメです逃げられました!」
「構わん…」

息を切らして戻ってきたウォッカに「バーボンとキールは後回しでまずはキュラソーを奪還しに行く」と言うジンは、既にキュラソーはに病院を出たと情報を掴んでいた
やはり先程の電話の相手は病院を監視していた奴だったんだろうな…

「行き先は東都水族館…」

東都水族館…?
風見はキュラソーを連れて東都水族館に移動してるってこと?
零の命令で動いている筈だから…まさか、零はキュラソーが発作を起こした観覧車に乗せて、記憶を戻そうとしている!?

「ジン…あなたこうなる事を読んであの仕掛けを!?」

既に東都水族館には仕掛けがされているらしい…キュラソーが乗るであろう、あの観覧車に…

行くぞ、とキールを残して出ていくジン
オレ達も移動を開始する様で、赤井は固定して置いていったライフルを片付けにコンテナの上へ上がって行った
倉庫の反対側でポルシェ356Aのエンジン音が鳴り、組織が遠ざかって行くのを聞くと、まだ安心はできないけれど、一先ず良かったと、ホッと一息が出た

「アレ…?」

突然震えていた足に力が入らなくなり、へたりとその場に座り込む
慌てて起き上がろうとするが立ち上がることすらできず、自分でもこんなふうになるとは思ってもなかったから驚きを隠せない
緊張の糸が切れたのかも…

「降谷君に会って行くか?」

コンテナの上からひょこっと顔を出し聞いてくる赤井は、座り込むオレを見て違和感を感じた様な顔を一瞬見せ、ライフルバッグを肩に飛び降りて来た

「ううん、今会ったら怒られそう…」
「子どもみたいな理由だな」

そう言ってオレを立たせようと手を差し出してくれるが、本当に力が入らないんです…

「子どもついでに運んで頂いても良いですか…?」

両手を上に広げて腰が抜けて立てないと言うと、「ホォー…」とまるで珍しいと言いたそうな顔でオレを抱き上げてくれた
そしてここへ来た時とは違って今度はギュッと抱き締めるようにし、背中を撫でてくれる


「赤井…?」


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