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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第9章 純黒の悪夢


『彼女が送ったメールが途中で止まっているのを利用して、「バーボンとキールは関係なかった。安心して。」って書き足して送り直そうと思ってる』

「なるほどね…」
「だが時間はそんなに残ってないぞ」

『わかってる。送信ができたらまた連絡する』

「いや、今バーボンとキールが組織に呼び出されてる場所に向かってるんだ。だから連絡は一旦止めよう」

組織と離れたらこっちから連絡すると伝え、電話を切った
コナンの作戦でバーボンとキールがNOCではないということが組織に伝われば2人は無事に解放されるだろうか
もしキュラソーの記憶喪失に組織が気付いているのなら、今更キュラソーから送り直されたメールをどう思うのかも気になるところだ

それと送信先のアドレスが分かれば組織の誰に送ったのかとか、解析していけばラムの正体にも辿り着けるかもしれない
まずは零の安全を確保して、それからキュラソーを組織に渡さないよう対策を、それが終わったら彼女のスマホを預かって解析して…

「先が見えてきた様だな」

そう赤井は言うが、零の安全が確保されないことには落ち着けない

「事は良い方に進んでるのかな…」
「50:50だな…」

良くもなく悪くもない…
形勢逆転も可能だが、そうされてしまう可能性だってまだある
ただ後ろばかり向いてはいられないから、今はまず目の前の事…零を組織から護ることに専念しよう

「港の倉庫とは別の場所に車を停める」

組織と鉢合わせをしないよう、遠くに停めて徒歩で向かうと言う
キールへの指示は17時…十分に時間はある…

「さすがに拳銃は持ってきていないな?」
「うん、自宅待機だったから装備は全部本庁だし、この身体になってからは持ち歩いてないよ」

捜査に出ることも殆どないし、そういや暫くちゃんとした装備をしていないな…

「念の為持っておいた方が良い」

駐車をしたらトランクから拳銃とホルスターを出して貸してくれると言う

そうだ…これから銃を所持する奴らを相手にするんだった…

脳裏に浮かぶのはオレを見下ろしながら銃を向けるジンのあの不敵な笑み
薬を飲まされた時に感じた恐怖に似たあの感覚を思い出すと身体が強ばる

その銃が今度は零に向けられると思うと胸の痛みは増すばかりで、今は固く拳を握って耐えるしかなかった


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