第4章 夜想曲/ポアロの彼と名探偵と
〈4章夜想曲〉
チュンチュン━━
鳥の声に目を覚ます
半分しか開かない目を無理に開けて時計を見るが、ぼやけて全く目に入ってこない
「んー」
手の甲でゴシゴシ擦るも効果はなく、時計が見えるよりも先に隣からクスクスと笑い声が聞こえた
頭は起き始まっているのに、目が開けられない
そのままうつ伏せで枕に顔を埋めた
「おはよ、叶音」
「れー…はよ…」
「朝は相変わらずだな」
どうしても朝はスッキリ起きられない
朝から爽やかにしていられる零が信じられないです
「…なんじ?」
「5時半だけど、起きる?」
「おきる…」
とりあえず、目は開かないけど身体を起こした
ここからが時間がかかることを知っている零は
「先に起きて朝食用意しておくから、ゆっくり起きておいで」
なんて甘やかしてくれるから、遠慮なく甘えてしまう
でも、頑張って起きます
起きますとも
起きようとしていますとも
ばふっ━━━
「………あと10分…」
顔が枕に吸い込まれた