• テキストサイズ

星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第9章 純黒の悪夢



***


警察病院へ着いたが、敷地内の駐車場では目立つからと向かいの路地に入った建物の影に路駐をした
ここからなら病院へ入る車が見えるし、何かあった時にはすぐに動ける範囲である

「ここへ来ると思い出すな」
「アハハ…その節はお世話になりました…」

オレが幼児化して零に運び込まれた病院…
あの時赤井が冷静に判断して組織から逃がしてくれたから、オレは今こうやっていられる
感謝してもしきれないくらいなんだ

「あの子達は…」
「え?」

風見から何か連絡がないかなとスマホに目をやっていると、病院の入口を見張っていた赤井がポツリと呟く
赤井の目のやる方を見ると、病院前に停まったバスから歩美ちゃん、光彦、元太が降りて来たのが見えた

「まさか!?オレちょっと行ってくる!」

あの子達はきっとキュラソーに会いに来たのだと思い、すぐに車を降りて病院の入口へ走り出した
キュラソーは面会謝絶のはずだから行ったとしても会えないし、会わせる訳にもいかない…できれば止めないと…!

「……!?」

しかし横断歩道まで走る途中で病院に曲がるRX7が見えた
零が警察病院に…?
キュラソーに会いに来た?だとしたら公安としてだろうか…バーボンとしてだろうか…
どちらにせよ今ここで零と会う訳にはいかない…
子ども達もなんとかしなければならないが、一緒にいる所を見られてしまっては困る
オレが行かなくてもあの子達は受付で足止めをされるだろうから、ここは一先ず零の動きを伺ってからでも大丈夫だろう…

駐車場に停る車と車の間を上手く走り抜け、RX7の中で誰かと電話をする零の様子を伺った
RX7はというと、昨夜キュラソーを追った時にできたのか、運転席のドアに黒く傷付いた跡とへこみがあった
そこそこ無茶なカーチェイスでもしたんだろうな…

電話が終わり零が車から降りる
やはり病院に入るつもりなんだろう…子ども達を追わなくて良かった
ホッとしたのも束の間

「バーボン…なぜあなたがここに?」

ベルモット!?

ちょうどここからは死角になっていて姿は見えないが、声は完全にベルモットである
零を呼びに来たのか、キュラソーを追ってきたのか…

「もちろん、あの人を連れ戻す為です」
「ふっ…てっきり記憶が戻る前にあの人の口をふさぎに来たのかと…」
「なぜ僕がそんな事を?言ってる意味がよくわかりませんね…」

/ 344ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp