第9章 純黒の悪夢

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東都水族館はさすがに今日からリニューアルオープンとだけあって駐車場に入るまでもだいぶ時間が掛かりそうだった
入口から一番遠い駐車場に案内されるようだったのでオレだけ車を降りて東都水族館の入口に向かう
赤井も一緒に行ければ良かったが変装していないまま日の下に出す訳にもいかず、車を停めたら待機をしていてもらうことにした
赤井がオレの状況を把握できるようにと思って、小型盗聴器をオレに付け、その受信機は赤井が持つ

さて、キュラソーはどこにいるのだろうか？
交通事故にあったかもしれなくて更に記憶喪失…保護されたと風見は言っていたから、医務室とかスタッフルームとかにいるのだろうか？

入口正面の駐車場まで来れたが、子どもだけで入場するのはさすがに厳しい
なんとか紛れて入れないかと辺りを見渡すと、STAFF ONLYのドアを見つけた
迷子のフリをしてあそこから入れるかも…そう目論んでいると遠くから救急車の音が聞こえてくる
その音は段々と近付いてきていて、もしかしてココなんじゃないかと音のする方を見ていると、ランプを点滅させた救急車が駐車場の入口から入ってきたのが見えた

スタッフルームの近くに停まった救急車
その近くには野次馬の壁がすぐにできて、その群衆に紛れ込み様子を伺った

救急車の音にスタッフルームから出てきたのは、なんとコナンや博士、少年探偵団の面々であった
まさか捜一への通報はコナンからだったとは…となると動くのは…

｢コナン君！例の女性は！？｣
｢今医務室から運ばれるところ！｣

救急車脇に停まった赤いRX7
そこから降りて真っ先にコナンに話し掛けたのは予想通りの高木刑事だった
今日は目暮警部ではなく佐藤警部補と一緒の様だ

コナンは高木刑事と佐藤刑事を引き連れスタッフルームへ…残された博士と少年探偵団は哀ちゃんが強く帰宅を望み、説得されて帰る様だった
あの様子では保護した女性が組織の人間だと気付いているに違いない

｢哀ちゃん！｣
｢…！｣

神妙な面持ちの哀ちゃんに駆け寄ると、突然のオレの登場に驚いた様子を見せる
そして子ども達はと言うと、

｢あ！リュウ君だー！｣
｢奇遇ですね！｣
｢おめぇも観覧車乗りに来たのか？｣

相変わらず無邪気に元気一杯だった

｢ちょっと！なんであなたがここにいるのよ！？｣

半分怒った様に言われてしまった…