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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第9章 純黒の悪夢


捜索している範囲の網掛けを増やすと、必然的に穴場も出てきた

「あれ…この辺りって…」
「どこか気になる場所があるのか?」

気になると言えば気になる
昨夜の事故現場の対岸に、今日からリニューアルオープンの東都水族館があるではないか
まさか…うーん…

「ジン達ってさ、意外とレジャー施設で取り引きをしたりするよね?」
「…そうだな。何度か行かされたことがあっただろう…南国風な名前の…」
「トロピカルランドね!」

そういやライと一緒にカップルに扮してトロピカルランドに行ったこともあったな…
ライがチャラっとした男で、オレはギャルっぽい子に女装してさ
取り引き時間まで遊んで場に馴染めって言われて、なんだかんだ満喫しちゃったんだよね
取り引き相手に分かるようにってベルモットの指示でトロッピーのカチューシャを付けたんだけど、本気で嫌がってたライが今でも忘れられないくらい面白かった覚えがある
ちなみにオレはうさぎの方のカチューシャだったけどね

「フフ…あれはあれで楽しかったよね!」
「…取り引きじゃなければな」

ムスッとした赤井は、取り引きをそっちのけで楽しんでいたオレをフォローして楽しむどころではなかったと言う
なんとなく申し訳なくて、今度はオフで行こうねって誘っておいた

「それで?レジャー施設に心当たりでもあるのか?」
「あ、うん…今日からリニューアルオープンする東都水族館なんだけどね…」

タブレットを運転席に寄せると赤井は車を停めて画面を覗き込む

「泳いで陸に上がれるこっち側の範囲でしか考えてなかったけど、オレ達が今いる倉庫街も視野にいれると、なんとなく東都水族館付近が浮いて見えるんだよ…」

事故現場と今いる倉庫を網掛けすると、その対岸に出ている陸地だけが目立って見えていて、ちょうどそこが東都水族館である

「泳ぎきれたかどうかはわからないけれど、トロピカルランドの時の様にデータの受け渡しがレジャー施設だとしたら…あと、もしこの倉庫が受け渡し現場だったとしても、警察庁を出て湾岸線に乗ったとこに説明がつく」

公安や警察、FBIが捜索していない場所であれば動きやすいし、東都水族館方面も可能性はゼロではない、と続けると、赤井も顎に手を当てながら「なるほどな」と納得してくれた

「この倉庫へ組織が集まるのは夕方だ。一先ず東都水族館の方に行ってみるか」


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