第3章 始動/小さな探偵達
風見の待つ車に乗る前に、外から風見に合図を送る
喋るな、と
了解の頷きを確認し、後部座席に乗ってすぐにシドとオレのパソコンを繋いだ
プログラムを確認するときちんと直されていて、他に弄られた形跡はない
となると、あと確認しなければいけないのが取り外し式のバッテリーパック
『それで?頼まれた発信機付きの盗聴器付けておいたけどその後の反応は?』
『いや、まだ何も』
はい、ビンゴ~♪
発信機で盗聴器というのは、バッテリーパックの蓋の裏にあったコイツのことかな?
あの博士が作ったんだろうな、すごく薄型でしっかりした作りになってる
そしてこれがあるということは、零に言われている作戦を実行しなければならない
向こうがこっちの探りを入れてくるようならば、こっちが組織絡みってことをにおわせること
相手の出方でどの程度の情報を得ているのかを確認する為もあり、これ以上は危険だから関わるなという忠告でもある
零がバーボンとして動く為にも、組織の動きを乱されてはこちらも困るからな
というわけで、盗聴器越しにオレの声が聞こえるように組織に連絡を入れるフリをした
「ターゲットとの接触完了、今から戻る。細かい報告はオレからバーボンに直接するから。あぁ、問題ない」
『……!?おい灰原、バーボンって…』
お、焦ってる焦ってる♪
バーボンというコードネームまでたどり着いてるのか
凄いなぁ…やっぱりあの子は工藤新一とシェリーなんだろうか?
まぁ同一人物じゃなかったとしても、もう小学生として接する自信ないや
「また会える日を楽しみにしてるよ、小さな探偵くん♪」
付けられた盗聴器をパキッと半分にして外に投げる
これでオレが発信機に気付いたということもコナンにはバレたと思うし、少し煽ることもできたかな
「風見、お疲れ様!」
「リュウさんもお疲れ様でした。収穫はあったようですね」
「うん!美味しそうなクリームシチュー貰ってきたよ!」
頭にハテナがたくさん浮かぶ風見の運転で今日は直帰することになった