第3章 始動/小さな探偵達
「コナンくん、リュウ君はね、博士にシドを直して貰いに来たんだよ!」
歩美ちゃんの説明不足を光彦君がコナン君とやらに話してる間に、ケーキの最後の一口を口に運ぶ
これどこのケーキだろ…零にも食べさせたいなぁ…
じゃなくって!
2人が動き出す前に、オレお手製の小型盗聴器でも仕掛けさせてもらおうかな♪
「あの、御手洗借りてもいいかな?」
「ええ、こっちよ」
「ありがと…っと!」
どてーん!
と大袈裟にコナン君の横で転んでみる
そしてジャケットの後ろの内側にピトッと盗聴器をくっつける
我ながら自然にできた…と思う
「いててて…」
「大丈夫か?」
コナン君オレは大丈夫です
むしろ大丈夫じゃないのはあなたかもしれません
そしてトイレに案内してもらった後、盗聴器の受信機を耳に付けた
やはりオレのいない場所で灰原哀と江戸川コナンがヒソヒソと話始まるのが聞こえてきた
『江戸川くん、あの子、何か感じるわ…』
『はァ?組織絡みって言いてぇのか?』
『わからない。でもいつもの嫌な感じとは違うの』
『つっても、会ったばっかだからな…少し探ってみるか?』
『あまり関わりすぎないでね…』
いや、関わらせてもらいますよ…
そんな会話を聞かされたらやっぱりあの子達は組織のことを知っていると思うし、あの話し方、内容、小学生の会話じゃない
『まぁオレに任せろ』
そんな頼もしいコナン君のお手並み拝見させてもらおうじゃないの
受信機をポケットにしまって手を洗ってリビングへ戻る
3人の子ども達は庭に遊びに、灰原哀はいなくなっていて、コナン君1人がオレを待っていた
「ねぇねぇ、リュウさんも知り合いの家に預けられてるって聞いちゃったんだけど…」
「あ、うん。コナン君も同じ感じってさっき聞いたんだけど」
コナンでいいよ、と言ってくれて、じゃあオレもリュウで…と流れる
「僕、毛利探偵事務所にいるんだ」
「毛利探偵って、あの有名な眠りの小五郎?」
「うん、リュウも小五郎おじさんのこと知ってるんだね!」
「そりゃあテレビや新聞で見かけるからね!今は知らない人の方が少ないんじゃないかな?」
「それ聞いたらおじさん喜ぶよ」
「…探偵って言えば、東の名探偵、工藤新一って知ってる?この家の隣に住んでたみたいなんだけど…」
早速攻めるような質問をしてみた