第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ
「FBIの様子は!?」
『赤井がこちらを向いて…あっ!拳銃です!拳銃をかまえましたっ!!』
「距離を取って!後続車両も車間開けてっ!!」
ドンッ━━
無線に向かって叫んだその瞬間に銃声が聞こえた
そして間も空かず急ブレーキ音や車の衝突音が無線から、そして窓の外からも響き渡る
それを聞いた風見がすぐに声を掛け、イヤホンからも零の大きな声が聞こえる
「大丈夫かっ!?各車応答願う!」
『何!?赤井が拳銃を発砲!?』
赤井が発砲…!?
『リュウさん申し訳ありません…先頭車両がタイヤに被弾しクラッシュ…後続車は巻き込まれ走行不能です…』
「生きてるっ!?」
『全員生きてます…ただ、衝突で負傷者も…』
「今向かってるからそのまま待『動ける車があるのなら奴を追え!!』…機しててもらえるかな?」
れーい…そう言うと思ったよ…
通信機の発信ボタンを押してこちらからの声を飛ばす
「零さん、まだ合流してないけど、たぶんオレの車しか動かせないと思うから後はオレが動くよ」
部下への連絡に気が向いているからか、返事はない
聞こえたんだか、聞こえてないんだか…
そしてオレの車は部下達からだいぶ離されていたが、ようやく公安の車と思われる車のライトが複数見えた
ただ、ライトの数が1台多い気がする…
『え…FBIが戻って来ました…』
「風見!」
「はい!」
FBI…いや、赤井が戻って来た…この目で確かめないと…
追跡車4台目の後ろに車を停め、降りてFBIの車まで走ると、部下達が拳銃を向けている先に赤井がいる
後部座席に座る赤井は携帯で話しており、イヤホンから聞こえてくる零の会話から、赤井と零が話しているに違いないと思った
『これで終わりだと思うなよ赤井…こっちにはまだ手が残ってるんだ』
その手というのはオレのことで間違いないな
ゆっくり歩いて部下達の横を通り抜ける
「みんな、下ろして大丈夫だよ」
銃をしまわせ、部下と赤井の間に立つ
「ホォー…ずいぶん可愛らしい奥の手だな…」
「えぇ!?コナン君のお友達!?」
「探偵の弟子の助手!?」
ジョディさんとキャメルさんが驚くのも無理はないけど、驚いてるのはこっちだって同じだ
「お久しぶりです諸星さん…いえ、赤井捜査官…!」
やっと会えた…赤井秀一…!