• テキストサイズ

星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ


零は赤井をある男と称して死体スリ替えトリックについて順に話していく
オレに話してくれた様にひとつひとつ丁寧に、わかりやすく、時には沖矢さんに問題を出しながら進めている
沖矢さんもさすがミステリー好きということもあり、理由を付けながら答えたり、矛盾点を突っ込んだり、声色を聞く限りだとこの謎解きを楽しんでいるようだった

『こちら追跡1、ターゲットが我々に気付きスピードを上げ始めました』

零との通信とは別に無線から聞こえる先頭車両の部下の声
こんな暗い峠を似たような車で連なって追いかけていてはやっぱり気付くよな……でも、想定内だ
この先には2台の車でバリケードを張ってある
避けようにも右は崖の壁、左に避ければ崖から転落…まぁFBIのことだから突破されそうな気はするけど、お手並み拝見と行こうじゃないか

「この先に2台待機してるから、1は速度を合わせて追跡、2は無理なく停車できる速度で追跡を。3,4は迎え撃つ準備をして!くれぐれも巻き込まれように!」
『了解』

各車の位置はカーロケによって手元のタブレットで確認をすれば明確である
1の車がFBIに速度を合わせればそっちの位置だって大体分かる
もう少し進めば挟みうちができるポイントだ

そして零の方は赤井が撃たれたフリをした時の話へと進む
赤井が撃たれた際に頭から血を噴き出して見せたのは博士の発明品のひとつで、赤井の被っていたニット帽には空砲に合わせて血ノリが噴き出す仕掛けがされていたと言う
頭を撃てと命じたのは監視役のジンで、そう言われることまで予想できたからの仕掛けだ
そして頭から血を噴き出したのを見たジンはまんまと騙された…

『なかなかやるじゃないですかその男…』

まるでスパイ小説の主人公のようだと沖矢さんが感心するが、実際にこの計画を企てたのは別の人物だと零は言う

『その証拠にその男は撃たれた刹那にこう呟いている…"まさかここまでとはな"ってね…そしてその言葉にある言葉を加えるとその意味は一変する……まさかここまで"読んでいた"とはな…』

この計画を企てたある少年を称賛する言葉だったというわけですよ、とそう言う零の脳内にはその少年が浮かび上がっているだろう
今もどこかでこの状況を見ているであろう、江戸川コナンが…

もしかしたらオレ達がFBIを追って来葉峠へ来ていることも想定済みかもしれないな…
/ 344ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp