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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ


外はもう暗いけどね、と言う零がミラー越しに口元をパクパク動かす

「(と・う・ちょ・う・き)」

そうだ、探知機オレが持ったままだった!
すぐに電源を入れると電波をやや受信しているので零にそれを見せてすぐに後部席から助手席へ移動をし、盗聴器の場所を探っていく

「わんちゃんも一緒に寝ちゃったんだね」
「そうみたい…でもいつ寝たのか覚えてないんだよな…散歩してた筈なんだけど…」

自然を装う為に会話を始め、確率が高そうな座席の左サイド下に探知機を近付けた所で反応が高くなった
覗いてみると小さな盗聴器であろう物が張り付いていたのでそれをそっと剥がす

「散歩で疲れたんだよ」
「そうかなぁ?でもラッキー!お兄さんの車に乗れちゃった!」

盗聴器を零に見せると近くの公園の駐車場に入る

「さ、お母さんに事情を説明するから一緒に行こうか」
「うん!」

そう言って2人で降り、車から距離を取る
盗聴器はもちろん車の中に置いて…



「やはり仕掛けられていたか…」
「オレのこと何か怪しく思われたかな」

「いや、盗聴器の類いを僕が警戒することをわかっていて敢えてわかりやすい場所に仕掛けた…ということは叶音を怪しく思ったわけではなく、念の為の確認だけだと思う」

ベルモットといる時に他人を乗せることなんてしたことないからな、と言うが、本当に大丈夫なのだろうか…

「大丈夫さ!いざとなればベルモットの秘密が組織内にリークされると言ってあるし、叶音を怪しいと思ったのなら楠田や赤井の話なんてしないさ」

そうだよね…
ちょっとだけ心配ではあるけれど、あまり考えないようにしよ…

「僕が1人で車に戻って盗聴器に気付いて始末したって思わせるようにするから」
「わかった」

零が先に車に戻り、置いてきた盗聴器を口に近付け何か言っている
ベルモットが聞いていると踏んでこういうことはやめろって言ったのかな
そして言い終わって盗聴器を握り潰すと手招きをされたので車へと戻った

「さて、これでピースは揃った。明日人を集めて赤井を誘き出す。叶音も手を貸してくれよな?」
「もちろん!」
「アンッ!」

そうだ、ハロ…
うっかり忘れていたと2人で顔を合わせ笑い出した

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