第3章 始動/小さな探偵達
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あれから数日後、上からの許可が下り、阿笠邸へ情報収集に向かうことになった
零に念の為と言われてメガネを掛けてみたり、髪をセットしてみたり、子ども服を新調してもらったり…
なんだか可愛い系の男の子に着せ替えさせられた気がする…
そして見た目は可愛い系、頭脳は大人のオレは今、阿笠邸のインターホンの前にいる
零はというと探偵の仕事で別で潜入捜査らしく、代わりに風見が近くに停めた車で待機してる
大丈夫とわかっているが、やっぱり初めての所はドキドキすんな…
オレは子ども、オレは小学生、…ん?小学生ってどんなだったっけ?
「あれぇ?どうしたのー?」
「博士にご用ですか?」
「腹減ってんのか?」
あ、そうそう、小学生ってこんな感じ…あれ?
声の方を見ると、風見の資料で読んだ阿笠邸に出入りしている小学生の3人がいた
名前は確か…
「私、吉田歩美!」
「円谷光彦です!」
「小嶋元太だ♪」
「「「僕(私)達が、少年探偵団です!!」」」
少年探偵団…
そういやいろんな事件に関わってる小学生がいるって本庁で噂になってたけど、この子達のことかな
「何か困り事ですか?」
ちょっと計画と違っちゃったけど、まぁいっか
「えっと、オレは音月リュウって言うんだけど、この大事な相棒がおかしくなっちゃって、ここに発明家さんがいるって聞いたから直してもらえないかなぁーって思って…」
「わぁ!かわい~!!犬のロボット?」
「うん」
「名前はなんて言うんですか?」
「シドって言うんだ」
零の飼ってるハロの遊び相手をしてもらったり、内蔵カメラで撮った映像を飛ばしてスマホで見れたり、そんな犬型の機械だったりする
壊れたってのは実は嘘で、内蔵プログラムを少しいじって壊れたように見せてるだけなんだけど…
「こんな可愛いのに壊れちゃってるの、かわいそう…」
歩美ちゃん…だっけ?この小さな女の子が心配そうにシドを見つめてくるもんだから、ちょっと罪悪感を覚える
なんかごめんな…
「とにかく博士に見てもらいましょう!」
「オレはケーキ食べるけどな♪」
光彦くんはしっかり者って感じで、元太くんは見かけ通りの食いしん坊って感じ
でもオレが会いたいのはこの3人ではなく、残り2人の方
家の中にいるといいんだけど…
とりあえず中に入れそうなので第一関門クリアだな♪