第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ
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あれから数日、杯戸病院の事件の洗い直しやコナン周辺のリサーチを進めた
当時の刑事や鑑識がしっかりと記録を残してくれていたのもあり、楠田陸道の車に付着した血痕のから、頭を撃ち抜かれたのではないかという仮説が確実に見えてきた
シュミレーションプログラムを使って検証してみると、銃口と頭の距離はほぼなく、撃たれたのならば近距離でだが、シュミレーションで出てきた銃の角度から自殺という線の方が可能性が高いのではないかと零と結論に至った
しかし車の持ち主が楠田というだけであって、実際に撃たれたのが楠田とは限らず、これだけでは焼死体が楠田という証拠にはならない
しかしもうひとつの調査でそれも確実な道を歩き始めた
焼死体の指紋と一致したという指紋はコナンの携帯から取られたらしく、杯戸病院の事件で犯人を突き止める為にその携帯が使われ、楠田も手に取っていたらしい
要するに、楠田の指紋と焼死体の指紋を照合させた可能性もあるということだ
こっちの方は零の方で裏が取れているらしく、ほぼ確実だろう
残るピースは、楠田の消息…
もし死体をすり替えたのなら、楠田の消息をFBIが知っている可能性があるかもしれない
零は最後のピース集めと言って探偵としてあるターゲットに近付いてFBIから情報を得る為の準備をしているようだ
でもそれはベルモットの協力で成せる事だと、オレとはまだ別行動を取っている
コナン側からFBIに近付けないかな…
それよりも沖矢さんに近付いてみた方が良いのか?とも思ったけど、赤井かもしれないと思いながら普通に接する自信がないし、発信機の件でどう近付けば良いかわからなくなってしまった
もしかして沖矢さんはこれを狙ってわざわざ発信機を取ってくれたとか?
赤井秀一の消息に関わるなという警告だとしたら…
「リュウさん、時が止まってますよ」
風見の声にハッとする
どうやら一点を見つめたまま考え込んでしまっていたみたいだ
「なんか呪文かけた?」
「何言ってるんですか、自分はどこぞの魔法少女じゃありませんよ」
「残念…」
「魔法を使うならリュウさんの方がお似合いだと思いますけど」
「えー…魔法少女のあのフリフリか…ピンクがいいなー…」
「すぐ準備します」
そういや一徹半を過ぎた頃だった
一旦仮眠を取らないと、マジで魔法少女にされそうだ…
