第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ
「死体のすり替えが上手くいったとして、なんで沖矢さんが赤井じゃないかって思ったの?」
「それはね…」
水無怜奈の一件にコナンが関わっていたことと、コナンがFBIと関わりがあるということ、そこから赤井の死後コナンの周りに突如現れた人物を探ったという
「あいつがベルモットや怪盗キッドの様に変装ができるとは思ってないが、もしそういったのを得意とする人物が協力者としているならありえなくない話だろ?」
確かに、コナンの周りには特殊な技術をもった人がたくさんいそうだし、その中に変装を得意とする人もいそうだ
もしくは、ベルツリー急行の時の様に怪盗キッドに手を借りることだってできるのかもしれない
変声機を使って声を変えているのかもしれないし、だとしたらチョーカー型変声機が販売を止めたのにも理由がつく
「あとは煙草の匂いさ」
あー…いつぞやかのオレが付けて帰ってしまった煙草の匂い、ライが吸っていた物と同じ匂いだったんだよな…
オレもあの匂いでライを思い出しちゃったし……その後も…
「……あ…!」
「ん?何か心当たりでもあるのか?」
組織時代、ライがオレのことを「弟の様に可愛い奴だ」とよく言っていたのを思い出した
「沖矢さんがオレのこと、昔弟の様に可愛がっていた奴に似てるって言ってて…」
「そういえば…ムカつくくらいライは叶音に甘かったよな。弟ができたみたいで可愛いって」
それに、沖矢さんの所で寝てしまった後に「赤井」と呟いたら沖矢さんは本を落として…どこか寂しそうにオレを抱きしめたのは、やっぱり沖矢さんが赤井だから……?
「もし沖矢さんが赤井なら、発信機を取ってくれたこともなんとなく説明つくし、敵ではなくて放っておけないっていうのは、FBIとして公安と共にオレを保護しているからってことだったり?」
「いや…放っておけないのはまた別の理由がありそうだが…まぁそんなところだろう」
別の理由…?
「別の理由って何?」
「叶音は知らなくて大丈夫だよ。それより、もう二度と沖矢昴の前で気を抜かないこと、いいな?」
本当はあまり接触して欲しくないんだと心配して言う零をよそに、接触して真意を確かめたい気持ちの方が強く出る
なんとか接触する機会を作らないと…