第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ
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「はい……えぇ…わかりました…」
薄ら聞こえてきた声に目を覚まし、寝ぼけ眼で時計を見ると深夜1時を示していた
沖矢さんの所から本庁に戻り、管理官と情報局の人達との話を済ませ、帰宅後夕飯を食べた後からの記憶が無い
どうやらシャワーも浴びずに畳の部屋で座布団を枕に寝てしまっていた様だ…
掛けた記憶がないが身体は毛布に包まれていて、ハロが一緒に入って眠っている
もしかしたらハロが布団から引っ張ってきてくれたのかもしれないと思って、スヤスヤと眠る白い頭を撫でてやった
聞こえてきた声の方に目をやるとキッチンの方の光がドアの隙間を照らしていて、零が帰って来ているみたいだけど、誰かと電話をしている様だった
こんな時間に誰だろう…
身体を起こすも硬い畳で寝てしまった代償が身体を鳴らし、やっとの思いで立ち上がる
電話の相手が組織の関係者だったらまずいなと思い、音を立てないようそーっとドアを開いた
気付いた零と目が合うと電話をしながら手招きをされる
「登庁前に話を聞いて、朝一でそちらに向かいます。……はい、失礼します」
電話は管理官かな…
親指で通話を切ったのを確認し、ちょこちょこと零の元に近寄った
「おかえりなさい」
「ただいま。静かにしていたつもりだったけど、起こしてしまったな…」
「ううん。畳で寝落ちしてたから起きれて良かった」
ご飯は?と聞くと外で食べてきたと言うから、冷蔵庫の中の作り置いた夕飯は朝ご飯に回すことにした
「今日は本庁の方も対応してくれて助かったよ」
寝癖がついていたのだろうか、零が頭を撫でながら髪を梳かしてくれる
ゼロのサーバーの方はオレも関わっていたし、幼児化する前に情報局の人達と繋がりがあったから、それもあって呼ばれたんだと思う
大方情報局の方が対応してくれていたからオレは本当に説明を聞いただけで特に何もしていないんだけど…
「大まかのことは管理官から聞いたが、詳しくは叶音から聞いて欲しいと言われたんだ。朝起きてからにするか?」
「うーん…起きれなそうだから今にする」
コナンの話や沖矢さんの話もしたかったから一緒に話してしまおうと思う
零も疲れてるだろうから、手短に話して寝る時間を確保しないとだな…