第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ
「他には!?」
「お前のことも少し教えてくれたらな」
まだまだあるんだろうと勢いのまま聞いてしまったけど、やっぱり全部は教えてくれないか…
「じゃあそのうち見せてな♪」
「やっぱ教えてくれねーのかよ」
コナンと一緒にいればそのうち発明品を使うところを見られると思うから、オレの情報と引き換えなくても良さそうだと思った
「それより続き、いいかしら?」
「あ、そうでした」
哀ちゃんの用事で来ていたのに、博士の発明品に気を取られてしまっていた
「もう少し発明品の話したかったのぉ…」
「俺も聞きたいことまだまだあるんだけど」
「先約は私よ?」
バチバチと視線を合わせ突如始まったオレの取り合い
あれ?
これはアレか?
オレの為にケンカはやめてー!って止めなきゃいけないシチュエーションなのか?
「と、とりあえず、時間の許す限りはいられるから順番に、な?」
風見に頼んだ迎えの時間があるからあまり遅くまではいられないけど…とは言わなかったけど、帰らなきゃいけない時間だけは伝えておいた
そうだ、風見…
地下室に入る直前にスマホが振動し、その短さからメール通知だと思ってたんだけど…何かあったのだろうか
このタイミングで連絡が来るとなれば零か風見しかおらず、確率としては風見の方が高い
ふと気になったのでスマホを確認すると、風見からの着信の通知が1件……
メールではなく電話での連絡ということは急ぎの用件があるということで、なんで長く振動しなかったのか疑問に思いながらも、早めに掛け直さなきゃと部屋を出ようとする
「ごめん、ちょっと連絡だけ入れてくるっ!」
部屋の外に出てスマホを耳に当てるも無音が続き、そういえばここ地下室だと気付いて階段を上がる
そこから一気に来た通知を見ると、風見からの着信は1回だけではなかったらしい
念の為玄関を出て、周りを確認してから壁際に身を小さくしながら小声で掛け直した
「ごめん、何かあった…?」
『何度も掛けてしまってすいません…』
「地下にいて電波なかったんだ。急ぎ?」
『はい。実は情報局の方から緊急連絡が入ってまして…』
情報局…ネット関係で何かあったのか?
『ゼロ側のサーバーが外部からの攻撃を受けたようで、その説明と対策をしたいとのことです。リュウさんご指名なんですが…』
という事は管理官指示ってことか…
