第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ
四方に設置されたプロペラが回り始め、博士のリモコン操作によってドローンモドキが浮かび上がった
「よし!第1段階成功じゃぞい!」
良かった…勝手にいじって余計壊してしまったらどうしようかと思ったけど、先程の様な爆発はせずに済んだ
「へぇ…すげぇな…元はプログラマーだったとか?」
「いや、そんな大したもんじゃないよ」
プログラミングは昔から少しいじってて好きになっただけだし、機械いじりは今は亡き警察学校の同期に教えてもらって好きになっただけだし…
でもその小さな「好き」が仕事で役立ってたりもするんだけどな
「それで、コレは何の発明を?」
「それはできてからのお楽しみじゃぞ」
フフンと得意気に鼻を鳴らす博士に、今なら色々教えてもらえそうだと聞いてみることに
「オレ、博士の発明品見てみたいなぁ~!だって博士、有名な発明家さんなんですもんね!?」
「有名?やっぱり儂は有名かの?」
「はい!有名です!」
コナンや哀ちゃんは変わらずやれやれと言った顔だけど、もしやこの博士、おだてりゃ色々話してくれるタイプだったりして…
「この棚に並んでおるのはな……」
紹介された棚にはサンプルだろうか、世に出ている発明品の数々が並んでいた
お弁当箱のFAXとか、チョーカー型変声機とか、補聴器までも置いてある
「へぇ~おもしろいな…」
補聴器なんて「聞こエンジェル」と言うようで、実はそういうネーミングセンスが好きだったりもする
ってかこれは聞こえるのか聞こえんのか、どっちなんだろうか…
「そういえば、コナンのスケボーも博士の発明品?」
初めて来た日に治ってるかって聞いたから…
「よく覚えてたな…」
あれはただのスケボーではなく、ターボ付きでそこそこスピードが出せるという
足で走っても大人並なスピードもでず、車を運転できないオレ達にとっては、かなり役に立つ物になりそうだ
……道交法違反は咎めないでおこう…
「あとそのベルトも?仕掛けがありそうだなって思ってたんだ」
普通のベルトではないことは明らかにわかる
真ん中の丸い所から何か出てきそうだなって、いつか聞こうとしていた
「あぁ、ここからサッカーボールが出てくるんだ」
「サッカーボール…でもただのボールじゃなさそうだな」
使う時がきたら見せてやるって言われて教えてくれなかったけど、見せてくれる気はあるようだ
