第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ
もしかして、その解毒剤から入手ルートとかも割り出せたりしてしまうのだろうか…
そうなるとまずいんだよな…
「うーんと…よく覚えてないから調べてまた連絡するよ」
「わかったわ」
「高熱出てどうやって助かったんだよ」
カタカタとキーを打つ哀ちゃんの隣でようやくコナンが口を開いたかと思うと、できれば回避したい質問を投げかけてきた
「オレも意識が朦朧としてて、あんまりよく覚えて…」
━━ボンッ!!
「「「……!?」」」
突然の隣りの部屋からの爆発音の方に3人で目を向ける
オレにとってはかなり良いタイミングだが、日常的にあまり聞かない音に身構える
「またかよ…」
「ホント、懲りないわね…」
「えっ、何!?」
身構えた自分が恥ずかしくなるくらい2人は冷静で、やや呆れ気味である
哀ちゃんなんていつもの事よと頬杖を付くくらいだ
「博士の実験失敗の音だよ」
でもまだ今日の爆発は小さい方らしい…
やれやれと隣りの部屋へと様子を見に行こうとするコナンの後ろを着いて行く
この2人にとって日常的によく聞く音なのか…大きな事故にならなければ良いけど…
そんな心配をしながら隣りの部屋に入ると、白い髪の毛や髭がチリチリに黒く焦げている博士がいた
「大丈夫かー?」
「なぁに問題ない…どこかでプログラムの入力を間違えたかのぉ…」
パソコンから伸びる線がラジコンのリモコンの様な物に繋がっており、そこからの電波を受信するであろうドローンの様なものが床にひっくりがえって煙を出していた
「…コレ、飛ばすんですか?」
「そうなんじゃが、リモコンとの接続が上手くいかなくてのぉ…」
ちょっとお邪魔してパソコンを覗くと、英数字や記号の並んだプログラムが出来ており、きっとリモコンにインプットされているんだろうなと思った
博士は煙の出た本体を直し始めているので、その間にざっとプログラムを確認していく
「おめぇこういうの分かんのか?」
「うん少しなら…………あった!」
コードの並びが複雑になっている箇所を見つけ、直していく
きっとこれなら発信も受信も上手くいくはず…
「博士、これでやってみてください」
「お、おぉ…」
本体の調子が戻っていれば、このドローンみたいな機械は飛ぶはず…!
「スイッチONじゃ!」