第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ
「あの子って…」
「江戸川コナンくんだよ」
やっぱりな…
何かとコナンの周りでは事件が起きている気がするのは気のせいなのか?
病院での事件は患者の見舞い客が患者によって毒殺されたというもので、色の変わる紅茶がキーポイントだったそうだ
「あの子の様子も見ようと思って解決を少し長引かせてしまったんだけど…やはり只者ではないな…」
「そんなに凄い少年なんですか…?」
「風見はまだ会ったことなかったよね」
気を付けた方がいいよ、と念の為伝えておく
「それで?高木刑事からは何を聞けたの?」
「楠田陸道のことさ」
杯戸病院の爆弾騒ぎの数日前に病院の近くで破損車両が見つかったようで、その車の持ち主が楠田の物だったらしい
車内には大量の血が飛び散っていて、1mmに満たない拳銃による血痕もあったそうだ
「謎の多い事件と言っていてな。その時の捜査資料と、杯戸病院で起こった事件の捜査資料を入手して欲しい」
「わかりました」
「オレは何かできることある?」
風見も裏で動くなら、オレも何かできることがあるはずだと思って聞いてみた
「そうだな…コナンくんの動向を探って欲しい」
「コナンの?」
「あぁ。彼は楠田のことを知っている様だし、僕が高木刑事と話していた時にあまり楠田のことを僕に知られたくないようにしていてね。何かあると思わないか?」
なぜコナンが楠田を知っているのか、という疑問から見えてくるものは、赤井とコナンが何らかの形で繋がっているかもしれないということ
「ねぇもしかして、コナンの周りももう一度調査し直した方がよさそうじゃない?」
「……赤井の死の直後にコナンくんの周りに現れた人物や、あの阿笠博士についても探っておきたいな…」
あと、個人的には沖矢昴についても調べておきたいと思った
宅配車事件で沖矢さん宛てに宅配物を届けたコナン
工藤という名字が書けるのは自分だけと沖矢さんなら気付くと言ったあの言葉、そして不審には思っただろうけどその状況をしっかりと判断して対応してくれた行動力…
コナンと沖矢さんの関係も、今回の手がかりに繋がるものがあるのでは?と思っている
「それと、僕が赤井に変装して関係者の周りを探っていただろ?」
関係者の反応を確かめて赤井の死を確認していたという、あの変装か…