第7章 冷たい宅配便/小さな科学者と
「あのさ…」
ずっと2人に聞きたかった真相を聞いてみようと思った
「ベルツリー急行でいったい何があったんだ?シェリーと哀ちゃんは本当に同一人物だよな?シェリーは死んだけど哀ちゃんは無事ってどういう事?あのバーボンからどうやって…」
「フッ…」
話の途中でコナンが笑いだした
「お前質問多すぎ」
「あ、ごめん…」
だって気になることありすぎて…
「順を追って話すと長くなるけど、結果だけで言うと“変装”だよ…怪盗キッドのな」
零が会ったシェリーはキッドの変装……
じゃあ爆発の後に飛んで行ったグライダーはやっぱり怪盗キッドの…
「って、怪盗キッドとも繋がってるの!?」
「繋がってるってわけじゃねーけど、今回は半ば強引に引き込んだっつーか、まぁ取り引きしたようなもんかな」
ベルモット以外にも変装に長けたやつがいるのか…どうりであの中森警部も手を妬いてるはずだ
今度キッド関連の捜査資料でも見てみるか…
「じゃあ…群馬の山中にいたシェリーも変装…?」
「あれは私よ」
「おい灰原…!」
コナンは隠しておきたかったみたいだけど、本人の口から聞いてしまった
「ってことは、一時的に元の姿に戻る方法、あるんだね?」
「えぇ。まだ開発段階だけど、解毒薬の研究をしているところなの」
やっぱりそうなんだ…
零の推測が確実になった…
「はぁ~…」
「お、おい!」
力が抜けて三角に座ったまま横にバタッと倒れた
心のモヤモヤがスッと消えたような、先が見えてホッとしたような、なんとも言えない脱力感に襲われる
「なんか、良かった…」
「リュウ…」
「良かったって言っても、まだきちんとした物は作れてないわよ。服用したとしても数時間で元に戻ってしまうし、頻繁に服用すればその分身体に免疫ができて本当に戻れなくなってしまうかもしれないんだから」
それでも良い
元に戻れる可能性が出てきただけで、本当に今はそれだけで良かった
「哀ちゃん、組織から抜けてきてくれてありがとな」
「な、何よ急にっ…!」
元はと言えば私があんな薬なんか作らなきゃこうはならなかったと後悔する様に哀ちゃんは言うけれど、オレの場合はあの薬に救われた部分もあったりした
「薬がなければオレ、射殺されてたからさ…」
「あー…オレも撲殺からの射殺だったかもしれねぇな…」
え、コナンって殴られたの?