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胸の扉

第2章 暁の国


プラントにはない熱気とキラキラと反射する青い海。
その景色を眩しそうに目を細めながら眺める。

「では、改めまして、ご挨拶いたします。私、スカンジナビア王国の王宮に務めております、ニーナ・ドルマンと申します。」
「プラント、ザフト・・」
「ああ!もちろんご存知ですので、時間もありませんし省略させていただきます。イザーク様。」

挨拶の途中で遮るなど、これ以上ない失礼だと思いつつも、ここで何かあれば国際問題になりかねないのでおし黙る。

「そうですか、ご説明とは?」
「ええ、今回のお姫様は、この海沿いにあるアスハ代表の別荘に滞在しております。そこで一週間ほど一緒に暮らしていただいて・・」
「一週間!?」
「ええ、?ご存知ありませんでしたか?」
あまりに聞いてない話が多すぎるため、心配になってくる。
プラントは正常に回っているのか?

「失礼しました。時間がなくあまり情報を得られていなかったので。」
「それでは、姫様の話もあまり?」
笑いをこらえているような表情を浮かべる。
姫様、と敬称で読んでいるものの、全く敬っているようには見えない。
「ええ、あまり。」
「そうですか。では、説明が終わりましたら簡単に姫様の説明もいたしますね。
そしてタブレットに目を戻し説明が始まった。

「いやいや、それは、、。」
「了承されているとお聞きしましたが?」

なんと2人で一週間暮らせと言うのだ。しかも使用人も誰もいないらしい。
結婚前の女性と一つ屋根の下で暮らすなど、いらぬ誤解を生む。
お見合い程度できたのだ。
もしこの話が発展しなかったら、お互い、いや主に相手に良くない噂が立ってしまうこともあるだろう。
冒頭の話から一向に進まず、ニーナはイライラし始めている。

「最後のパーティーの日はもちろん、使用人を行かせますから。」
「そういった問題ではなく・・。警護は?」
「辺り一帯明日は代表の土地なので常に管理されています。」
「では家の周りにはいないと?」
「はい」

一国の姫だと言うのにどうしてこんなにも警備が手薄なのだろうか。

「とにかく、話が進みませんし。全て了承を得ていると聞いていますので。」

そうしてニーナは強引に話を進めるのであった。


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