第6章 反乱
「で、クラインのファクトリーが知られてるってどういうことだ。それにラクスは知ってんのか?」
「いいえ、知らないわ・・・。変に鋭いんだから。ログを辿られたのね・・・・・。」
「そんな呑気にしてる場合か!!」
王国ではあるものの、王は象徴的に意味合いが強い。
政治にはあまり関わっていないのだ。
だが、アリアは独断でアークエンジェルをかくまった他、プラントの兵器を作ったのだ。
「なぜ、アークエンジェルを匿うのはわかるが、クラインのファクトリーを?」
アスランはまだ話を理解できていないようだった。
「絶対的な力を作っておきたかったのです・・・。正義が力を持てば抑止力になりますから・・・・。」
「でも・・・・!!強い力は戦争を生む!!」
「あの機体は二人の専用の機体。誰にも使いこなせないわ。あの技術に到達するまであと5年はかかるわ。」
「結果的にデュランダル議長のを止めることができた・・・。」
イザークは彼女の肩を抱き寄せじっと黙って聞いてる。
「これ以上は黙っていられない・・・。私はいいけれど、弟の未来を守りたいの。だから・・・・。私がファクトリーと繋がっていたとして、それが非難されようがどうでもいいわ。」
「ダメだ!!お前だって幸せにならないと・・・・。お前がいたから、オーブも守ることができた・・。もしかくまってくれなかったらみんな死んでいた。父の・・・、父の理念を守ることなんてできなかった・・・。」
「カガリ・・・。どちらもは選べないの。叔父を道連れに堕ちる。それが私の償い。」
「どういうことだ!?」
今まで黙っていたイザークが声をあげる。
ふっと木漏れ日のような柔らかな優しさのある笑みを浮かべる。
「私たちは戦犯として裁かれるのです。ずっと、責任から逃げていたから。私はあなたと会えて幸せでした。それと、ごめんなさい・・・・。」
そっと肩から手を外す。
「アリア・・・・。」
「それなら私は協力できない・・・」
「カガリ・・・。わかったわ。私一人でやります。」
「そういうことじゃなくて!!!!」
今にも掴みかかりそうな勢いでアリアに詰め寄る。
「どうして!自分を大事にできないんだ!!!」