第6章 反乱
白に近い薄い若草色のドレス。
シルク100パーセントでできており、上品な光沢がある。
そして王族の象徴であるティアラ。
ドレスと同じ色のレースで編まれた手袋。
「行きましょう。」
「ええ。」
まるで物語のように美しい二人だった。
会場に入場すると誰もが二人に見惚れた。
二人に見惚れ、彼らが歩いた場所は時が止まったようだった。
「まぁ・・。初めまして・・。ラクス・クラインと申します。」
うっとりとした表情のままラクスが挨拶をする。
厳密に言えば身分の高いものから話しかけなければならない。
「初めまして、アリアと申します。」
カーテシーはしない。
「まるで夢の国から抜け出したようですわ・・。素敵・・!」
「失礼だよラクス、そんなに見つめたら。」
ラクスのパートナーであろうキラが焦っている。
「いいえ、私も彼にパートナーになっていただいて、夢のようです。」
「まぁ!」
ラクスの語尾にはぜったいハートがついていた。
「では、まだ挨拶をしなければならい人いるので。」
軽く会釈し、ラクスの元から離れる。
「大丈夫か?」
イザークが心配そうにアリアを支える。
二人が結ばれた日から二人は目立たないように過ごし、今日の日に望んだ。
「弟も呼び寄せることができた。相手にもバレていない。」
イザークの腕を掴む手に力が入る。
「スムーズに行きすぎて怖いの・・・。叔父のデータも簡単に手に入った。この情報があれば失脚は簡単だわ。」
「アリア!!!」
黄色いドレスに身を包んだかがりが小走りで向かってくる。
「アリア!お前!!」
「カガリ・・。もう少し・・。」
アスランに指摘され、恥ずかしそうに一歩下がる。
「ああ、ごめん。その、やろうとしていること聞いたんだが・・・。」
「うん・・。協力してくれる?」
「もちろん!だが、不安要素もいくつかあって。」
かがりに耳を寄せる。
「お前がクラインのファクトリーとつながりがあるって知られてるよ・・・。」
「知ってるわ。直接来たもの・・。」
「なら危険だ!!そんなこと・・・」
「カガリ外で話そう・・・。」
白熱するかがりを止めるアスラン。
「ああ、そうだな・・・。」
アスランとイザーク、カガリとアリアで部屋に移動する。
カガリがいるおかげで、用心たちしかいけない、奥の部屋に通される。