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胸の扉

第5章 決意の時


というのは半分嘘だ。

アリアは腕の中でスヤスヤ寝ているが、イザークは全く眠れない。
当たり前だ。
好きな女を前に手を出すことができず、少し腰を離してどうしたものかと考えている。
動けば彼女を起こすかもしれない。
しかし、行き場のないものを鎮めるには、目の前にいる彼女が魅力的すぎる。

「参ったな・・。」



いつの間にか朝になっていたようだ。

「寝てたのか・・・。」

「眠れなかったのですか?」

腕の中から彼女の声が聞こえ全身に血が巡る。
少し恥ずかしそうに彼女は胸に顔を埋め、こちらを見上げる。

「いや、そんなことは」

下半身に血が集まるのがわかる。
思わず腰を彼女から離す。

「イザーク?」

「ああ、おはよう。」

変な体勢になっているのを、不振そうに見ている。
彼女が背中に手を回し、ひっついてくる。

まずい。

「手?」
彼女が何か硬いものが体に触れて疑問を口にする。

制止する前に彼女の手が布団に潜る。

「だ!!」

それが握られるのとイザークが声を出したのは同時だった。

キュッと優しく握られて、恥ずかしながらも感じてしまう。

手ではないものを掴んでしまい、布団を覗いたアリアはみるみる赤くなっていった。

「あ、え・・!」

理解が追いつかないようだ。

こうなっては仕方ない。
彼女の上にまたがり、少し荒々しくキスをする。

「昨日の続きするか?」

そうそう余裕そうに迫ってみる。

彼女は思ってよりも冷静そうに見えた。
すっとこちらに手を伸ばす。

「あなたに全てを捧げます。」

そしてふわりと微笑んだ。

思いがけない反応に驚く。

「ああ」

彼女の肩ひもをずらしながら、首筋に優しくキスを落とす。
徐々に肩から鎖骨へ、胸の谷間に、順番にキスをする。

アリアは甘い吐息を漏らしながら、イザークの行為を眺める。

少し明るいから怖さは少ない。

肩に置かれたイザークの手に触れると、手を握られた。

ちらりとこちらを見た瞳は男の人の目で、体がゾクゾクする。


昨日のように怖がれるかと思ったが、以外にも彼女はとろんとした艶やかな目をしてこちらを見ていた。

ゆっくりと衣服を下にずらし、胸があらわになる。

「いや・・・。」

アリアが小さな抵抗をする。

胸を隠す腕を押さえつけ、一番膨らんだ部分を口に含んだ。
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