第5章 決意の時
「イザーク・・・。協力してください。叔父を、引き摺り下ろします。」
「それが正しいのはわかる、だがどうやって?」
「テロリストをかくまった証拠があります。これで国際的に見放され、国民からの信頼も地に堕ちることでしょう。そして廃位させます。」
「王室は?」
「解体します。今まで残ってたのが不思議なくらいです。」
「あなたの立場は?」
「ただの一般人に戻ります。」
「それでいいのですか?」
「はい・・・。協力してくださいますか?」
「クーデターですか・・・?」
にこりと妖艶に微笑む。
「面白いと思いません?それにもう、逃げててはいけませんし。」
「アリア・・・。」
優しく抱き寄せる。
「イザーク・・・・。好きです。私と共に生きてくれませんか?」
イザークは優しく彼女を抱きしめる。
「ああ、もちろんだ。」
アリアもイザークの背中に手を回す。
「怖いか?」
「少し・・・。電気をつけて欲しいの・・・。」
アリアをベットに寝かせ、そこにまたがるようにして見下ろす。
「暗いのが怖いのか?」
アリアが頷いたため、近くにあった間接照明をつける。
「いいのか?」
もう一度アリアが頷く。
それを見たイザークはゆっくり顔を近づけ、触れるようなキスをする。
アリアは初めての経験だ。
心臓がうるさい。
イザークに届いてしまっているのではないかと思うほどだ。
恥ずかしくて目を瞑る。
イザークが覆いかぶさってくるのがわかる。
少し暗くなるのを感じ、恐怖でひきつる。
「大丈夫だ」
そう言いながら髪を撫でられる。
その声にホッとして、涙が溢れ出しそうになる。
「大丈夫だ、無理しなくていい。焦らなから、今日はやめてもいいんだぞ?」
気持ちに応えたい反面、怖いという思いももちろんある。
イザークがバスローブを脱ぎ、下着だけになる。
アリアは顔を真っ赤にして目を瞑る。
イザークはアリアの隣に寝転がり抱きしめる。
「こうするだけでも満たされるだろ?別にセックスだけが全てじゃない。まぁ、ずっと待てって言われるのはきついけどな。」
すこしからかうようにアリアに語る。
アリアは顔を真っ赤にしながらも、意を決してイザークに抱きつく。
そんなアリアを優しく抱きしめ、二人は眠りに落ちた。