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胸の扉

第1章 突然の指令


「俺調べたんすよ、その結婚相手!」

機密事項だぞ、と言いたいところだがめんどくさいので黙っていた。

「そしてら、すごい醜いんですって!だから一度もメディアに顔だしたことないみたいで、学校も通ったことないみたいです!なくなった王妃様?の一人娘で甘やかされて育ったとか。すんごい太っててわがままらしいですよ!」

そんな根拠のない情報をなぜ信じるのかと言ってしまいたいが、日のないところに煙は立たぬ。こういった話は何かしらエピソードがあるはずなのだ。

「あれ、ほんとだ。いい噂ないな〜。」

すぐにディアッカも調べ始めたらしい。

「うわっ、使用人が怪我してやめたことあるってよ!」

「マジっすか!?隊長怪我したらどうしてくれるんですか!?」

なぜ軍の経験を積んだ俺が負けるのだ。

「いい加減にしろ、2人とも!そんな噂にい惑わされるな!」

「でもぉ〜!」

ここで突っかかってくるやつはシンぐらいしかいない。

「嫌なら断ればいいんだ。俺の好きにする。話は以上だ。」

それ以上話すなとばかりイザークは業務に戻った。

「はぁい。」

不満そうにシンは返事をした。
しかし、話を切り上げたイザークだが、あの2人が調べた噂が喉に刺さった小骨のように気になる。
いや、単なる噂だ。真実は会って見なければわからない。
自分のそう言い聞かせて作業に没頭した。



あの後気になりいろいろな情報を調べたが、核心を突くようなものはなかった。
ただよくないゴシップの情報だけが大量に手にはいった。
今日はついにオーブへ降下する日だ。
プラント育ちのが多く、皆地球へ行くのにどこか緊張しているようだった。
しかし、イザークは別の意味で緊張している。
家に帰ればエザリアに絶対に捕まえてこいと毎日詰められ、女性クルーからは謎の告白が増えた。そして羨望の眼差しで見てくるものさえいる。

「憂鬱だ・・・。」

この地球行きが波乱に富んでいるのは間違いないだろう。
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