• テキストサイズ

胸の扉

第1章 突然の指令


時々何かを思い出したように吹き出すディアッカにイライラしながら業務に励む。

「そんなに怒るなよ。いいじゃん、結婚しなくてもいいらしいし、軽い気持ちで会えよ。」

このボルテール内でこんな軽口を叩けるのはディアッカしかいない。
初めて配属されてくるひよっこ達ははじめ、このやり取りにヒヤヒヤするものである。

「うるさい!余計なこと喋ってないで手を動かせ!」

副官とのやりとりも、もはやジュール隊の名物である。

「ジュール隊長!」

黒髪の人懐っこそうな少年が勢いよく隊長室に入ってくる。

「どうした?シン?」

イザークも大人になったらしい。かわいい後輩の前では大人な対応を見せる。

「隊長も次地球に行くんですか!?」

嬉しそうに、身を乗り出す。まるで大型犬がブンブンと尻尾を振っているようだ。

「ああ、今回はジュール隊としてではないが、俺も地球に行く。」

「マジっすか!!やったね!困ってたんですよ!アスラン、俺苦手で、また会うのやだなーって思ってて、それで!」

同士を見つけたとばかり目を輝かせてシンがまくし立てる。

「前も、お礼言っただけなのに、「熱でもあるのか?」とか「酔ってるのか?」なんて言ってくるんですよ!?」

「なんだあいつ、冗談言えるようになったの?」

イザークではなくディアッカが食いついた。

「そんな楽しいもんじゃないですよ!でも、アスハ代表も気にしてるみたいだし・・。他の人とかも・・。」

耳をたたみしゅんとなった犬のように落ち込む。

「俺もアスランとは仲のいい方ではない。」

「だから一緒に行動して欲しいんです!」

「仲良くないのにか?」

「そうです!みんな騙されてるんですよ!なんかいつも偉そうだし、キラさんのこと悪く言うし・・。だから、俺1人だとみんなガキ扱いするし。誰かといて欲しいんですよ!」

その行動こそガキっぽいと思うが、後輩としての可愛らしさが勝る。

「いいだろう。いい息抜きになりそうだ。」

「おい、イザーク。お前はそれ気にしてる場合じゃなくね?」

そう、イザークは今回オーブに降下し結婚するかもしれない人物とお見合いするのであった。

「あ!隊結婚するんでしたっけ?キラさんが言ってました!それよりも、相手の情報知調べたんですよ!」

キラ・ヤマトめ、口の軽い男は横の金髪のオールバックだけで十分だと言うのに。
/ 43ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp