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胸の扉

第4章 夢のカケラ


面白くないことはなかった。

しかし、アダルトな表現が多すぎた。

気を取り直して二作目を見る。

今度初めからクライマックスだ。

まるで自分がそう行ったエッチな映画が見たいみたいではないか。

次はホラー映画だった。

思わず二人の距離が縮まる。

とん、肩に彼女の肩が触れたのを感じたが、真剣にスクリーンを見つめていた。

しばらくしてまた問題のシーンが始まった。

お互いついつい目を合わせてしまった。

もう限界だった。

目の前に好きな女性がいて、体の一部が触れているのである。

ゆっくり彼女をソファーに押し倒した。


こちらを見つめる目が真剣で、目を話すことができなかった。

気がついたらソファーに倒されていた。

前回多い被された時は真っ暗でとても怖かった。

しかし、今回は顔が見えているせいかそれほど恐怖感はない。

ゆっくりと顔が近づく。

胸の音がうるさい。

映画の音をかき消すほどだ。

そして二人の唇が重なった。

その初めての経験に体がピクンと反応した。

一度唇が離れると、彼は愛おしそうに頬を撫でた。

頰が熱くなるのがわかった。

こんな風に人から好意を向けられたことは初めてだ。

どこを見ていいのかわからず、目をそらしてしまう。

「目をそらすな・・。」

いつもより1オクターブ低い声に体がゾワッとする。

映画から女性の声が流れる。

ひどく甘い、媚びた声だ。

ますまず恥ずかしくなり、思わず顔を隠してしまう。

イザークはフッと軽く笑うと、優しく抱きしめてくれた。


この前の夜はひどくビクビクとしていたというのに。

今はただ、初めての経験で慣れていないだけの普通の女性だ。

胸のあたりで顔を顔を埋めている彼女が愛おしい。

全く、なぜこんなにも惹かれてしまったのだろう。

その柔らかな体を抱きしめつつ、いつの間にか眠りに落ちていた。
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