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胸の扉

第4章 夢のカケラ


二人でお菓子やおつまみを用意し、テーブルに並べる。

そしてソファーに二人で座る。

ディアッカからお勧めを聞いてておいてよかった。

あいつもたまには役に立つな、なんて考えながら動画を再生する。

物語はある女の失踪から始まる。
女が失踪する前に異常な行動を取っていたのを住民が目撃し、何かに取り憑かれたのではないかという噂が出た。
数日後彼女は遺体で発見される。
そして自殺として処理されたのだが、この事件に興味を持った男が再調査を独自でし始める。
明かされる女の秘密、そしてどんどん真相へと近ずくにつれ危険に巻き込まれる主人公。
女の正体は一体、そして男の結末はーーーー。


どうしてもっと明るい映画を進めないのだろうか。

いや、もしかしたらものすごく面白いのかもしれない。

そう思い黙って見続けることにした。

ちらりと彼女を横目で見ると、少し残酷なシーンも多いためか、固まって画面を見つめている。

和気藹々とつまみながら映画を見るという作戦が台無しだ。

映画にアダルトな表現はつきものだ。

中盤に差し掛かった頃、そういったシーンが出始めた。

気まずかったが、よくあることだと黙って見ていた。

が、だんだんと激しく、そしてかなり尺をとっている。

彼女はほお真っ赤に染めている。

「っ!!」

彼女と目が合ってしまった。

思わす今のシーンを彼女で想像してしまう。

熱が集まるのを感じるも、何事もないようにスクリーンに目を向ける。

「イザーク・・・。」

気がつくと彼女がすぐ隣にいた。

親しげに名前を呼び、顔を赤らめながら袖をつまむ姿はどう見ても可愛い。

やばい。

「どうした?」

できるだけ直視しないように眉間を見る。

「あの、飲み物をとって欲しくて」

ただの会話なのに、何もおかしなところはないがつい想像してしまう自分がいた。

「あ、ああ」

彼女の視線をそらしペットボトルをとる。

渡そうとした瞬間手が触れる。

まるで思春期のように、弾けたように手を離した。

「ご、ごめんなさい・・。」

彼女はびっくりしたように謝る。

「いや・・。」

思わすぶっきらぼうに返事をしてしまった。
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