第3章 お互いの距離
イザークがエレカを飛ばした先はショッピングモールというより百貨店だった。
様々なハイブランドや高級レストランが建物の中に揃っている。
「いやいや、、隊長?嫌がらせしてます?」
アリアがいるため、下手な場所に連れいていくのはと思うが、後ろの二人はお気に召さないようだ。
「嫌なら帰っていいぞ。お前たちのためにきてるんじゃないんだからな。」
そう言われてちょっとだけ恥ずかしくなる。
「はぁい、すみません・・・。」
アリアは会話に入ることなく、楽しそうに会話を聞いているだけで会話に入ろうとしない。
「あ、ごめんなさい、騒がしくて・・・。」
ルナマリアもアリアが置いてきぼりなのを感じたようだ。
「いいえ、気にしないでください。私は楽しいですよ?」
そう言われると、余計気を使ってしまう。
エレカを降りるとイザークはルナマリアにこそっと話しかけた。
「買い物はわからん、同じ女同士任せた。」
「ええ!!無理ですよ!こんな高いとこで買わないですし!」
負けじとルナマリアも対抗する。
取り残されたシンはありあと二人きりであたふたする。
「お、オーブってどうですか??」
「オーブですか?そうですね、正しい国ですね・・・。でもその正しさが息苦しく、標的にされてしまうのでしょうね。」
寂しそうにシンに微笑む。
「あ・・・。」
オーブは大好きだった。
しかし、その正しさに家族を殺された。
「オーブはただしいんすか・・・?」
「正しのではないですか?みんな仲良くしましょう。人種で人を差別してはいけません。戦争をしてはいけません。正しいでしょう?」
「そうですけど・・・。」
「でも、それだけで世界は回るほど優しくありません。それをオーブはやろうとしているのですから。プラントにとっても地球軍にとっても目の上のたんこぶですね。」
「でも、その正しさを貫くために大勢の人が巻き込まれました。それは正しいんですか?」
「正しい・・・。難しいですね。しかし、あの行動がなければ、地球軍かプラントどちら世界は二分されていたでしょうね。あと、勝てば官軍です。買ったからこそ、高潔でいられたのでしょう。オーブは。」
「驚きました。みんなオーブは正しいっていうから。わかってるんですけど・・。気持ちが追いつかなくて。」
「いいのではないですか?思いは自由です。」