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胸の扉

第2章 暁の国


「じゃーーーん!!」

緊迫した2人とは真逆なかがりが勢いよく飛び出してきた。

「カガリ・・・。」

呆れたような、少しホッとしたような声色だ。
服を掴んでいた力がゆっくりと抜けていく。

「お!もうラブラブか?邪魔したか?」

相変わらず空気を読めないやつだと心の中で思う。

「おい・・。カガリ、」

一番聞きたくない声が聞こえてくる。

「や、やぁ、久しぶりだなイザーク。お初お目にかかかります、アスラン・ザラと申します。」

アスランが正式な挨拶をする。

「初めまして、アリアと申します。」

イザークの手元から離れた上がる。
そしてふわりと重さを感じさせない、流れるように優雅な、挨拶をスーかとの裾をつまんでお辞儀をする。

「そんなにかしこまるなよ、正式な場でもないし。」

「カガリ・・。」

惚れた弱みなのか、後ろめたさがあるのか、カガリに対する態度は控えめだ。

「そんなことよりどうしたの?いきなり、こんな風にきたら誰だって驚くわ。」

「ごめん、ごめん、驚かせたくって。うまくやってるか気になって。」

「うまくといったて、まださっき会ったばかりよ?」

カガリと仲が良いのか、思ったより話が続く。

「あー。そうだよな。イザークに話があるんだ。ちょっと借りるぞ。」

「なっ!!」

いきなり袖を掴まれる。
振り払うわけもいかずおとなしくついていく。
振り返った時に見えた彼女の表情はどことなく影がかかっていた。
 

「一体なんなんですか?俺だけ連れてきて。」
キッチンから一番遠い、彼女と出会った部屋に移動した。

「いや、その、彼女のことを頼みたくて・・・。」

「は?そもそも、これはお見合いみたいなもので、お互いに絶対結婚しなければいけないわけではないだろ。」

「そうなんだけどさ、彼女、ちょっと複雑なんだ。国や弟を優先してきて、ずっと1人で王宮に閉じこもっていたんだ。スカンジナビアがかろうじて中立だったのも、オーブから脱走したアークエンジェルをかくまってくれたのも、彼女のおかげなんだ。公に知られてることじゃないんだけどな。」

思ったより彼女様々なことに関わっているようだ。

「それで、お気持ちはわかりますが、それだけで結婚するほど俺は思いやり深くない。」

「美人だし、一番イザークが浮いた噂なくて安心だと思ったんだけどな、ダメか?」
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