第7章 ローグタウン
ルフィ達を回収したメリー号はグランドラインへと船を進める。嵐の中、岬にある灯台を見つめナミが口を開いた。
「あれは"導きの灯"。あの光の先にグランドラインの入口がある!」
遂にグランドラインに入るのかと興奮するルフィ達は折角なので進水式をしようと、サンジが持って来た樽を囲む。
「俺はオールブルーを見つける為に!」
「俺は海賊王!」
「俺ぁ大剣豪に!」
「私は世界地図を描く為!」
「お…お…俺は勇敢なる海の戦士になる為だ!」
「ユラはおかあさんとずっと一緒にいる!」
サンジに続きルフィ達が自分の夢を口にし樽に足を乗せる。最後にユラが言い放った後、皆の視線が花子に注がれる。
「ほら!花子もやれよ!」
「私は…。」
自分の夢はロジャーと共にいる事。だが、彼を失い叶う事は無くなってしまった…。戸惑う花子の腕の中にいるユラが笑顔で見つめ。
「おかあさんも早く!」
(私の夢…。)
ー自由に生きろ!ー
最後に口にした彼の願い…。花子はふと笑みを浮かべると彼等同様、足を樽に乗せた。
「私は…自由に生きる為に!」
何故、自分がここに来たのか…それは分からない…。だが、新たに出来た仲間と共に花子は自由に生きると決めた。
「「「行くぞっ!グランドライン!!」」」
ーーーーーー
ぷるぷるぷるっがちゃっ
「ほいほ《こぉうらっ!キンジ!どう言う事じゃあっ!?》
「うっさっ!?」
キーンッと劈く様な怒号にキンジは耳を塞ぎガミガミと怒鳴り散らす電伝虫に顔を顰める。
《貴様っ!花子が生きとる事を知っとったのか!?》
「あぁ〜…。」
遂にバレてしまったかと若干面倒臭そうな顔をするキンジは落ち着けとでも言う様に電話の相手を宥める。
「まぁまぁガープはん、これには海よりも深ぁい訳があるんや。」
《ぬぁにが訳じゃ!貴様、わしが連絡しなかったら黙っておくつもりだったじゃろっ!?》
花子がルフィの仲間になってからいつかはバレるとは思っていたが…。どう説明しようかと頭を悩ませキンジは椅子に腰を下ろした。