第7章 ローグタウン
天候は荒れ雨が激しく降り注ぐ中、ルフィ達は追ってくる海軍から逃げながらメリー号の元まで急ぐ。
「また凄ぇ数だな。」
「うひょ~!すげぇ!すげぇ!」
「急いで!この嵐、只事じゃないわ!グランドラインに入れなくなるわよ!」
迫りくる大勢の海軍に迎え討とうとするルフィ達に花子が声を上げる。それは大変だと更にスピードを上げるが彼等を逃す程海軍も甘くはない。
「先に行って!」
「どうする気だ!?」
「私が足止めをするわ!」
「そんな!無茶だっ!」
後で合流すると足を止める花子にゾロとサンジは目を見開く。彼女がどれ程強いのか分からないがこの人数を相手にするのは無謀過ぎる。
「…分かった!」
「おい!ルフィ!」
「大丈夫だ!花子は強ぇからよ!」
船で待っているとまた駆け出すルフィに花子は笑顔で頷く。納得のいかない表情を浮かべるもここは彼女に任せるしかないとゾロとサンジもルフィの後を追った。
「いたぞ!海賊共といた奴だ!」
目の前に立ちはだかる花子に海兵達は武器を構える。花子は刀を構える事無くきゅっと口角を上げ彼等を見据えた。
「あの子達の邪魔…しないで。」
ーーーーーー
(早くルフィ達に追い付かないと…。)
覇気で海兵達を気絶させた花子は足を進める。雷鳴が響き雨はより一層激しくなり悪くなっていく彼女の視界に1人の男が目に入った。
(あれは…"白猟"のスモーカー?)
悪魔の実の能力者である彼は身体を白煙に変えルフィを捉えていた。厄介な相手に捕まったものだと眉間に皺を寄せ腕に覇気を纏わせた花子は背後から彼に向かって拳を振り下ろした。
「…仲間がいたか。」
「その子を離してくれるかしら。」
既の所で彼女の攻撃を受け止めたスモーカーは七尺十手を振るう。くるりと身を翻し前方に着地した花子を彼は探る様に見据える。
「…お前、何者だ。」
「その子の保護者とでも言っておきましょうか。」
「花子〜!助けてくれぇ〜!」
地面に頭を押さえ付けられたバタバタと彼女に助けを求めるルフィにスモーカーは一瞬目を見開く。
「花子か…随分大層な名だな。」
ーロジャーっ…!ー
22年前、処刑台に現れた1人の女の姿がスモーカーの頭を過る。