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海賊王の懐刀

第7章 ローグタウン


花子 side


(皆、元気ね…。)

下でルフィ達の賑やかな声を聞きながら私は1人見張り台に腰掛け海を眺める。このまま行けばきっとあの場所に着く…。

(貴方が生まれ…そして、死んだ街…。)

もう来る事は無いと思っていた…。あそこに足を踏み入れるには私には重過ぎる…。

ー自由に生きろっ!ー

「ロジャー…。」

あの日も今日みたいに晴れた日だった…。死へと向かっているのに堂々としていた貴方を今も鮮明に覚えている。

「花子ー!」

ルフィの声が聞こえ見下ろすとキラキラと輝く笑顔の彼の手には1枚の紙が握られていた。

ーーーーーー

「どうしたの?ルフィ。」

「見てくれよ!これ!」

見張り台の柵を飛び越え甲板に着地した花子にルフィは嬉しそうに駆け寄り彼女の前に1枚の紙を突き出す。

「手配書?」

「あぁ!俺のだ!」

突き出された手配書には3千万の賞金。そして、屈託のない笑顔のルフィの写真が載っていた。手配書に載ったと言う事はお尋ね者になったと言う事。海軍や賞金稼ぎに狙われると言うのに、ルフィは自慢気に自分の手配書を眺めていた。

「凄いじゃない。このイーストブルーでその金額は中々のものよ。」

「へへへっ!…そう言やぁ、花子はどれぐらいだったんだ?」

花子が元海賊だと知らない他のメンバーは意外そうな顔で彼女を見つめる。お馴染みの彼等の反応に苦笑いを浮かべた花子はふと顔に影を落とした。

「私の賞金ねぇ…。」

ー良かったな、花子!これで晴れてお前も立派な海賊だ!ー

ー…最悪。ー

初めて花子の手配書が出た時、ロジャーは自分の事の様に喜んでいた。

「…忘れたわ。」

「えぇ〜!!」

「私の事は良いから。折角、手配書が出たのだもの。今日はお祝いね。」

不満そうに頬を膨らませるルフィの頭を撫で、宴だとはしゃぐロジャーの事を思い出し花子はきゅっと唇を噛んだ。


(そうだ!キンジにも教えてやらねぇと!)

(彼ならもう知ってると思うけど。)

(いいなぁ~、ルフィ〜…。)ユラもほしい!

(ユラは載らなくていいの。)沢山、撮ってあげるから!

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