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海賊王の懐刀

第7章 ローグタウン


花子とユラを仲間にした麦わらの一味は次の島に向かう為、船を進めている。

「ちょっと、また値上がりしたの?高いんじゃない?あんたんとこ。」

ニュース・クーから新聞を受け取りナミが愚痴を零す。また、値上がりしたらもう頼まないからと脅しをかける彼女にニュース・クーはションボリと首を垂れさせていた。

「何を新聞の1部や2部で…。それにお前もう金集めは済んだんだろ?」

「毎日買ってると馬鹿にならないのよ!あの一件があったからこそ今度は私は私の為に稼ぐの!貧乏海賊なんてごめんよ!」

今度は自分の為に金を使うのだと豪語するナミに呆れながらウソップは新しい武器を開発している。

「触るなっ!」

丸い何かに赤い液体を注いでいたウソップに突然ルフィが追突してきた事により彼はそれを目に浴びた。どうやら赤い液体はタバスコの様で余りの痛さにウソップは奇声を上げた。

「何だよ!いいじゃねぇかっ、1個ぐらいっ!」

「駄目だ!ここはナミさんの蜜柑畑!この俺が指1本触れさせねぇ!」

どうやらメリー号に植樹したナミの蜜柑畑に手を出そうとしたルフィをサンジが蹴り飛ばした様だ。蜜柑畑を背に仁王立ちするサンジはまるで地獄の門番の様。

「ナミさんっ♡恋の警備万全です!」

「うん、ありがとう。サンジ君。」

「良い様に使われてんな…サンジの奴。」

「大丈夫〜?!」

ナミに蜜柑畑の警備を任され嬉しそうに目をハートにさせ身体をくねらせているサンジの様子に昼寝をしていたゾロは呆れ、目から火を吹き甲板を暴れ回るウソップにユラが慌てて水を差し出した。

「〜っ?!サンキューっ!ユラ…っ!」

天の助けだと水を受け取ったウソップは目を洗い幾分か落ち着いた様子。

「はぁ…。ん?花子はどうしたんだ?」

彼女の事だからこの光景を苦笑いを浮かべ眺めている事だろう。しかし、辺りを見渡しても花子の姿は何処にも見当たらない。

「あ…。」

ウソップの問いに辺りを見渡していたユラの目にナミが開いた新聞が目に入る。ふと眉を下げた彼女にウソップは首を傾げた。

「今日…あの日なんだ…。」

「あの日?」

「おかあさんね…たまに凄く悲しそうな顔をするの…。」

いつも優しく微笑みかけてくれる花子はある日だけは悲しそうに海を見つめる事がある。そう…今日は…。

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