第7章 ローグタウン
あの後、更に花子の説教は1時間続き半べそ状態になったルフィを見て流石に可哀想に思ったのか、彼女は苦笑いを浮かべ彼の頭を撫でる。
「そう言えばルフィ、私達に何か用事があったんじゃないの?」
「え"ぇ"っ…?」
(((…忘れてた。)))
花子の勢いに押され今まで忘れていたが、何故ルフィは彼女を連れて来たのか?当事者のルフィも今思い出したのかあっと声を上げ、ピョンと立ち上がると花子に笑顔を向ける。
「花子、ユラ!俺と一緒に来い!」
「…はぁ?」
「やっぱり俺、お前等と一緒にいたい!だから、俺の仲間になれ!」
突拍子も無い言葉に思わず気の抜けた声を漏らす花子に対し、ユラも俺の船に乗りたいって言ってたしなとルフィは胸を張り得意気な顔をする。
「…因みに拒否権は?」
「きょひけん?よく分かんねぇがお前等は俺の仲間になるんだ!」
それ以外は認めねぇとふんっと鼻を鳴らすルフィに花子は1つ溜め息を漏らすと、ナミに抱かれているユラに近付きそっと彼女を抱き上げた。
「ユラは…どうしたい?」
「え?」
1度言い出したらルフィは聞かないだろう。だったら、ユラの気持ちを尊重しようと花子は柔らかく微笑みかける。
「ユラが決めていいの?」
「えぇ、ユラが思う様にしなさい。」
「ユラ!俺の船に乗りてぇよな!?」
「お前は黙ってろ。」
まさか自分が決める事になるとは思わずユラはオロオロと目を右往左往させる。戸惑うユラに急かす様に口を開くルフィの頭をゾロがベシッと叩いた。
「ユラね…おかあさんとおでかけできて楽しかった。」
「うん。」
「キンジやマキノ達に会えないのはさみしいけど…。」
幼い頃、キンジに船に乗る事は皆と離れ離れになる事だと言う事をユラは覚えていた。あの頃は、周りの皆といるのが楽しくて嫌だと泣いてしまったが…。
「ユラ…ルフィの船に乗りたい!」
「…分かったわ。」
真っ直ぐ自分を見つめる瑠璃色の瞳に花子は優しく微笑みかけルフィの方へ顔を向ける。
「ルフィ…私達をこの船に乗せてくれるかしら?」
「あぁっ!お前等は、俺の仲間だ!」
ーお前は、もう俺の仲間だ!ー
嬉しそうに自分達を抱き締めるルフィに花子は懐かしそうにそっと顔を綻ばせた。