第7章 ローグタウン
どんどん村から引き離され花子は小さくなっていく島を遠い目で見つめている。荷物、置いてきたまま等と呑気な事を考えているとゴムの様な柔らかな感覚を背中に感じた。
「つっかまえ…どわぁっ?!」
「ぐっ…!」
「ふぎゅっ?!」
花子とユラを腕に閉じ込めたルフィは勢いそのままビターンッと壁に叩き付けられた。
「ユラ、大丈夫?!」
「うん!楽しかった!」
腕の中にいるユラの無事を確認すると彼女はきゃっきゃっとはしゃぎもう1度やりたいと楽しそうにしている。
「ル〜フィ〜っ…!」
「悪ぃ、花子!」
ぐるりと後ろを振り返り自分を抱き締めるルフィを恨めしそうに睨み付ければ彼は悪びれも無く笑っている。
「そこに座りなさいっ!」
ーーーーーー
「まったく…!どうしてあなたはそう、いつもいつもっ…!」
「…ごめんなさい。」
「「「…。」」」
ユラを一旦ナミに任せ甲板にルフィを正座させた花子は腰に手を当て彼を見下す。かれこれ1時間は経っている彼女の説教に他の一味の者は奇妙なものを見る様な視線を送る。
「ユラが怪我をしたらどうするの!」
「しなかったからいいじゃねぇかぁ~…。」
「屁理屈言わない!」
少し大きな声を上げる花子にビクッとルフィの肩が震える。ションボリと項垂れている彼が可哀想に思ったのかナミが困った顔で口を開いた。
「まぁまぁ花子さん、その辺で…。ルフィも反省してるみたいだし…。」
「…本当に反省してる?」
「してるっ!凄ぇしてるっ!」
若干食い気味に身を乗り出す様子に本当に反省しているか疑わしいところだが、1つ深い溜め息を漏らし花子の説教は終わった。
「いやぁ~ナミ、助かった!花子、怒ると長ぇんだよ~!」
「…まだ足りないみたいね。」
「?!」
「…馬鹿だろ。」
折角ナミが助け舟を出したと言うのに…。花子の説教はまだまだ続きそうだ。
(大体、あなたはもう少し後先を…。)
(ごべんなざいっ…!)
(なぁ…そらそろ止めた方がいいんじゃねぇか?)
(…自業自得だろ。)