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海賊王の懐刀

第6章 魚人と人間


8年間、野望の為に費やした物を滅茶苦茶にされ怒り狂ったアーロンは暴れ回るルフィの首筋に鋭い歯を突き立てた。

「あ"あっ…!?」

「遣り過ぎだっ!糞ゴムっ!?」

痛みに震えるルフィだったがアーロンを引き剥がそうと彼のノコギリの様な鼻を掴み叫んだ。

「魚人がどう偉いとかっ…海図がどうとかっ…事情とか、そんなのよく知らねぇけどなっ!やっとあいつを助ける方法が分かったっ!」

アーロンを倒したらナミは救われるのか?彼女の心の傷は癒えるのか?しかし、この部屋を目の当たりにしルフィは確信した。

「こんな部屋があるから駄目なんだっ!いたくもねぇ場所なんて…俺がぶっ壊してやる!」

ナミを傷付けるものは全てぶっ壊す。鼻をへし折られ痛みに倒れ込むアーロンをルフィは鋭い眼光で睨み付けた。

「"ゴムゴム"のぉー!」

「図に乗るな!たかだかてめぇ等下等種族如きに落とせるこのアーロンパークじゃねぇぞっ!」

足を振り上げ天井を突き破るルフィに折られた鼻を元に戻しアーロンは身体を回転させ肉を抉る様にルフィの横腹に食らい付く。

「"斧"ぉーっ!!」

振り下ろした足がアーロンを捉え数階ある部屋を突き破り彼は地面に叩き付けられた。余りの衝撃に彼等の戦いを見守っていた者達は、驚愕し言葉を失う。

「?!見ろっ!今の衝撃でアーロンパークがっ!」

「崩れるぞっ!?」

大きく地面が揺れルフィの攻撃により支えを失ったアーロンパークがガラガラと崩れ落ちていく。

「ルフィーっ!!」

崩壊していくアーロンパークを見つめナミの悲鳴が響き渡る。

ーーーーーー

辺りを覆っていた土煙が晴れ陽の光が差し込み崩れ落ちた瓦礫の中からルフィが現れた。

「ルフィ!」

「「アーニーキーっ!!」」

ボロボロではあるが姿を現せたルフィにナミは顔を綻ばせる。荒い息を整えルフィはスゥッと大きく息を吸った。

「ナミィーっ!!お前はっ、俺の仲間だぁーっ!!」

「?!」

真っ直ぐな瞳でそう力強く叫ぶルフィに目を見開いたナミの瞳からは涙が溢れ出す。

「っ…!うんっ…!」

嬉しくて…嬉しくて…。他に言いたい事は沢山あるのに言葉が見付からず、涙が溢れる目元を押さえ強く頷いた。

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