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海賊王の懐刀

第6章 魚人と人間


ールフィ…助けてっ…!ー

「ウチの航海士を…泣かすなよっ!」

ナミの心の叫びを胸にアーロンパークに乗り込んだルフィはアーロンを殴り飛ばした。壁に激突するも強靭な肉体を持つアーロンは傷1つ付いておらず、鋭い眼光でルフィを睨み付けた。

「ルフィーっ…!」

「おい!ユラ、暴れるなっ!」

「ん?ユラ?!何でお前ここにいんだよ?!花子はどうしたんだ!?」

ハチの腕の中で暴れるユラを目にしルフィは驚き目を見開いた。何故ここにいるのか、何故花子は一緒にいないのか。

「あのアーロンを吹き飛ばすとは…!」

「並の人間の技ではないっ!」

アーロンを殴り飛ばしたルフィにアーロンパークに乗り込もうとしていた村人達は驚愕する。そんな彼等にヨサクとジョニーはこの戦いに水を指すなと立ちはだかる。

「しかし…何の戦う理由があると言うのか…?」

「戦う理由?」

何も関係の無い彼等が何故アーロンと戦おうとしているのか。その理由がゲンゾウには分からなかった。

「ナミの姉貴が泣いていた!」

「命をかけるのに、これ以上の理由がいるのかい?」

涙を流し助けを求めたナミの為。彼等が戦う理由はそれだけで十分だった。

「いやぁー!ハチ、はなしてぇー!」

「ユラ、大人しくしろぉ!」

「お前!ユラを離せっ!」

ハチの腕の中を飛び出したユラは涙を流し止め様とする魚人達を擦り抜けルフィの胸に飛び込んだ。

「ルフィーっ!」

「ユラ!お前、どうしたんだよ!花子は何処だ?!」

「おがあさんっ…いなぐなっちゃった…!」

あんなにもユラを大切に思っている花子がユラを手放す筈無い。泣きじゃくるユラを抱き締めルフィは目を見開いた。

「ユラ、戻って来い。」

「いやっ…!」

「俺の言う事が聞けねぇのか?我が儘を言うと花子は戻って来ねぇぞ。」

自分を見据えるアーロンにビクリとユラの身体が震える。うるうると涙に濡れた瞳で自分を見上げるユラの身体をルフィはキツく抱き締めた。

「お前…花子に何をした!?」

「さぁな。それをてめぇに教える義理はねぇ。」

ふんっと鼻で笑うアーロンにルフィは怒りでギリッと歯を食い縛った。

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