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海賊王の懐刀

第2章 貴方の宝物


エース side


拾った女の様子を見にルフィとフーシャ村を訪れた。女がいる部屋に向かっていると丁度マキノさんが部屋から出てきて、女が目を覚ましたと知ったルフィは勢い良く飛び込んで行きやがった。

(たくっ…あいつは。)

自分が助けた奴が目を覚まして嬉しいのは分かるがもう少し静かに出来ねぇのか…。俺も遅れて部屋に入ると女は何故か驚いた様な表情を浮かべていた。

「…。」

「なぁ!お前、名前何てんだ?」

ルフィが声を掛けるも耳に届いていないのか女は只じっと俺を見つめる。その顔は驚きは勿論だが…何故か俺には悲しそうに見えた。

「なぁってばっ!」

「っ!?ごめんなさい…何だったかしら?」

「名前だよ!お前の名前は何てんだ?」

ぐっと顔を近付けるルフィに女はハッとしてすぐに笑顔を見せる。

「私は花子よ。マキノさんから話は聞いたわ。あなた達が助けてくれたんでしょ?」

「さっきも言ったが俺はモンキー・D・ルフィだ!」

「…ポートガス・D・エース。」

花子と名乗った女はさっきと同じ様に目を見開いた後、ふっと悲しそうな笑顔を浮かべた。

ーーーーーー

何であんな場所で倒れていたのかと聞くと花子は言いにくそうに苦笑いを浮かべ口を開く。

「実は…私、元海賊なの。」

「海賊!?」

「…お前がか?」

「あ、エース君、今失礼な事思ったでしょ。」

海賊だったと言う花子は正直お世辞にも強そうには見えねぇ。確かに刀は持っていたが身体は小せぇし何か細っこいし…。

「海賊団は解散しちゃったけど…色々あって逃げてる間に海に落ちちゃったのよ。」

「ドジだなぁ~、お前!」

「…。」

自分もそう思うと、頷く花子に俺は違和感を感じた。こいつは何か隠してる。分かんねぇけど俺の感がそう言ってる。

「花子の船長ってどんな奴だったんだ?」

「自分勝手で人の話は聞かないし、すぐ問題に首を突っ込む…そんな人だったわ。」

「…とんでもねぇ奴だな。」

よくそんな奴の下にいれたな。俺だったら即船を降りるぞ。

「でもね…彼の周りにはいつも人が集まっていて、キラキラと輝いていた。」

ふっと顔を綻ばせた花子に俺の胸がドクンと脈打つ。

「そんな彼が…私は好きだった…。」

その顔が余りにも綺麗だったから…。

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