第5章 ココヤシ村
ナミ side
久し振りにココヤシ村に帰って来るとアーロンパークにいた花子とか言う子連れの女。アーロンはビジネスパートナーだって言ってたけど、彼女を紹介している時のアーロンは妙に親しげだった。
「ナミ!帰ってたんだね!」
「…ノジコ。」
苛立ちに任せて歩いていたら気付けば我が家に辿り着いていた。蜜柑畑の手入れが終わったんだろう。姉のノジコが籠いっぱいの蜜柑を抱えながら笑顔で近付いて来る。
「久し振りだね!ちゃんとご飯食べてる?少し痩せたんじゃない?」
「大丈夫…。」
ノジコの笑顔を見るとさっきまでの苛立ちが嘘の様に晴れていく。この村は私の唯一の故郷…。ノジコは私のたった1人の家族…。
(必ず取り返してみせる!)
今はまだ足りないけどいつか絶対に1億ベリー貯めてこの村を買うんだ!私が頑張れば皆は助かるんだっ!
「ん?誰かしら?」
家に入りノジコとお喋りをしていたら扉を叩く音が聞こえた。ここに訪ねてくるって事はゲンさんかな?扉を開け外にいる人物にノジコは嬉しそうに声を弾ませる。
「花子さん!ユラちゃんもどうしたの?」
(…花子?)
「突然ごめんね。仕事で遠出してたからお土産持ってきたんだけど…今大丈夫かしら?」
ノジコが招き入れた人物の姿に自分の目を疑った。何であんたがここに来ているの?何でノジコは平然と仲良く話してるの?
「あ…貴女は…。」
「花子さんは初めて会うよね?私の妹の「出てけぇっ!」
「ナッ、ナミ?!」
ここはあんたが踏み入れていい場所じゃないっ!この家はっ…私とノジコ…そしてベルメールさんとの大切な場所なんだっ!
「何しに来たの!?まさか、ノジコに何か酷い事をしようとなんて考えてないでしょうね!?」
「ちょっとナミ!花子さんに失礼っ「いいのよ。」
「花子さん…。」
「ナミちゃん…だったかしら?ごめんなさい、折角の姉妹水入らずの時に邪魔しちゃって。」
怒鳴り散らす私に申し訳なさそうに眉を下げ女はノジコにお土産だと言う袋を渡すと何も言わずに去って行った。