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海賊王の懐刀

第5章 ココヤシ村


花子 side


「よぉ、ナミ!帰ったか!今回の獲物はどうだった?」

「皆、馬鹿ばっかりよ。今回もたっぷり稼がせてもらったわ。」

ナミと呼ばれた少女は表情を変える事なく冷たい目線でアーロンを見つめていた。どう言う事?人間嫌いの彼等と親しげに話す彼女は何者なの?

「…子供?それにこの人は誰?」

「ん?…あぁ、紹介するぜ!俺のビジネスパートナーの花子とこっちはユラだ。」

「…どうも。」

「こんにちは!ユラです!」

「ビジネスパートナー?」

ナミちゃんは怪訝そうな表情を浮かべるとアーロンの傍らにあるお金の入った麻袋に目を向ける。

「どうしてもこいつがこの村に住みたいって言うんでな。金を用意したら住ませてやる事にしてんだ。」

「…あ、そう。」

興味なさげに答えるけど私を見つめる彼女の瞳には軽蔑の色が伺えた。多分、私がアーロンに媚を売っているとでも思ったのね。

「花子、こいつはナミ。我等がアーロン一味の有能な測量士だ。」

と言う事は彼女もアーロンの仲間?彼女がどれ程有能か鼻高々に私に語るアーロンをよそにナミちゃんはどうでも良さそうに口を開く。

「そんな事より書き留めた海図が船にあるわ。作業場に置いておいて。」

「何だ、もう行くのか?久々に帰って来たのによ。」

「私はあんた達と違って暇じゃないの。少し休んだら作業に戻るから。」

からかう様なアーロンの言葉には気にも止めずナミちゃんはそれだけ言うとパークを出て行った。

「…彼女は昔からあなた達の仲間なの?」

「もう6年前になるか。あいつは元々この村の奴だったがその能力を俺が見出して仲間にした!」

だとすると…彼女は村の人達を守る為に彼等の仲間に?

「それじゃあ、私もそろそろ行くわね。」

「どいつもこいつも忙しねぇなぁ。」

「じゃあねぇ〜!」

元気良く彼等に手を振るユラを抱え私は先程のナミちゃんの顔を思い出す。何かに必死に耐える様な…でも、何処と無く助けを求めている様な…。

(予定より早く片付けた方が良さそうね…。)

それにしても、中々尻尾を出さないなんて思ったよりアーロンは用心深い男だわ…。

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