第4章 瑠璃色の瞳の少女
ルフィの発言に花子はキョトンとし、キンジとエースは何言ってんだ、こいつはと言葉が見付からない様子。
「えっと…ルフィ、話が着いていけないんだけど…。」
「だから、ユラが俺の船に乗りてぇって!ユラが乗るなら母ちゃんの花子も乗るだろ?」
「ゆら!るふぃのふね、のる!」
「…成る程。」
「「ふざけんなぁっ!?」」
きゃっきゃっと楽しそうにしているユラを見つめ花子は、一理有ると納得するもキンジとエースが声を荒げ叫んだ。
「花子!お前、さっき俺の船に乗らねぇって言ったじゃねぇかっ!?」
「だって…ユラが乗りたいって言うなら…。」
「?!ユラ!俺の船に乗りたいよなっ!?」
「えーすのふね、のる!」
「ほら!」
「ほら、ちゃうわ!馬鹿たれっ!?」
船に乗ると言う意味を理解していないユラをルフィから奪い取り、キンジはそれがどう言う事なのかこんこんと説明する。
「えぇかぁ~、ユラ?船に乗るっちゅうんは皆に会えんくなるんやでぇ~?」
「みんな?」
「そうや!村の人にもマキノはんにも…ウチにも会えんくなるんや!ユラはそんなん嫌やろぉ~?」
皆に会えなくなる。その言葉に大きな瞳をうるうると潤ませるユラに周りはぎょっと目を見開く。
「あえなくなるの、やっ!おふね、のらないっ!」
「えぇ子やなぁ~!」
「みんな、あえないの、やっ!まきの、あえないの、やぁっ!」
「…あれ?ウチは?」
自分の名前だけ出てこず落ち込むキンジを見兼ねて、花子は嫌だ嫌だと泣きじゃくるユラを抱えトントンと優しく背中を叩き落ち着かせる。
「大丈夫よ、ユラ。」
「おかあさんっ~!やだぁ~!」
「今、決めなくていいの。ユラが本当に乗りたいと思った船に乗ればいいの。」
ゆっくりでいいと教えれば涙を引っ込ませ安心した様にユラは笑顔を見せた。
「取り敢えず、ユラが海賊になるのは阻止したでぇ!」
「キンジ…気持ちは分かるけど余りユラを不安にさせないで。」
「なんだよ~、ユラ乗らねぇのかぁ~?」
「くそ…!俺が後3年遅く生まれてりゃあ…!」
ちぇっと残念そうに口を尖らせるルフィ、本気で悔しがるエースを横目に、花子はまず海賊にならせるつもりが無いのだがと、1人溜め息を溢す。