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海賊王の懐刀

第4章 瑠璃色の瞳の少女


エース side


一緒に海に出ようと言った俺に花子は驚いた様に目を見開いた後、少し困った顔で笑い首を横に振った。

「私は…一緒にいけない。」

「ユラの事か?それだったら俺が必ず守ってやるよ!」

「違うの…。」

今はまだ花子よりも弱ぇし頼りないかもしれねぇけど…でもいつか2人を守れるくらい強い男になってみせる。

「エースは海賊になる為に海に出るんでしょ?」

「あぁ、それがルフィと…あいつとの誓いだ。」

3人で交わした義兄弟の盃。死んだあいつの夢の分も背負って俺は立派な海賊になるんだ。

「だから…私は行けないわ。」

「何でだよ!」

「私は海賊にはならない…私の船長は、あの人だけ。」

切なそうに海を見つめる花子の言葉が俺の胸に重くのし掛かる。こいつは…今でもあの野郎を想っているのか…。

「…分かった。」

「ごめんね。」

「いや、でも俺は諦めねぇからな!」

今はあいつの事を忘れられなくても構わねぇ!でも、いつか俺はあいつを越える程の大海賊になってやる!

「俺が強ぇ海賊になったら、お前とユラを奪いにくるからな!」

「ふふっ、随分強引ね。」

「俺は海賊だからな!首を洗ってまってろよ!必ずお前達を船に乗せるからな!」

もし花子が他の船に乗ったら奪い返してやる!それが例えルフィでも。1度見付けた宝をそう易々と手放すかよ!

ーーーーーー

マキノさんの店に戻ると中は主役の俺より楽しんでんじゃねぇかってくらい、どんちゃん騒ぎしていた。

「やぁと戻って来おったかぁ~!後、3分遅かったら連れ戻す所やったでぇ~。」

「キンジは気付いてたのか?」

「ウチの花子はんアンテナ、ナメたらあかんでぇ~!」

得意気にふふんっと鼻を鳴らすキンジだったが、こいつならありえる…。もしかして花子を仲間にしたらこいつも着いてくるって事はねぇよな?

(…マジいらねぇ。)

「おどれ今、失礼な事考えてへんやろうな。」

「なぁ花子~!」

俺を睨み付けるキンジの視線から顔を逸らすと、ユラを抱えたルフィが花子に近付いてきた。

「ユラ、俺の船に乗りてぇって!」

「え?」

「だから、ユラと花子は俺の仲間だな!」

何、言ってんだこの愚弟は…!?

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