第4章 瑠璃色の瞳の少女
花子 side
ユラを連れて帰る前に私はこの子の母親を弔う為にお墓を作った。ちゃんとしたものは作ってあげられないけど、せめて彼女が安らかに眠れる様に…。
「う~?」
「ユラ。最後にお母さんにお別れしようね。」
彼女のお墓の前で手を合わせる私を不思議そうに見つめるユラに手招きすると、ユラも私の真似をしてお墓の前で手を合わせる。
「おかさん…。」
母親のお墓を見つめポロポロとユラの瞳からは涙が溢れ落ちた。きっとユラは母親の死を受け入れる事が出来なかったのかもしれない。
「っ、おかさんっ…あ~がとっ!」
涙を流すユラを抱き上げお墓に背を向けると後ろから穏やかな風が私達を包み込んだ。
ーありがとう…。ー
優しく温かな声。1度お墓に振り返り私は彼女に向かって頭を下げた。
(この子は…私が守ります。)
お墓に立っていた綺麗な女性は安心した様に微笑み消えていった。
ーーーーーー
ユラを連れてフーシャ村に戻った私はまず、お世話になっているマキノさんの元に向かった。1人増えるんだし一応、彼女には話しておかないとね。
「そんな事が…。」
「はい。だから、この子もここで一緒に暮らしても良いですか?お金なら払います。」
優しい彼女はユラの話を聞くと眉を下げ悲しそうな表情を見せ、私の申し出にも快く了承してくれた。
「お金なんて良いわよ!花子さんにはお世話になってるしね。」
「でも…。」
「それより、ユラちゃんに何か美味しいもの食べさせてあげましょう!」
すぐ準備してくるから待っててと、キッチンに向かうマキノさんの優しさに胸が熱くなる。彼女は本当に優しい人ね。
「ユラ、これからよろしくね。」
「あいっ!」
頭を優しく撫でるとユラは可愛らしい笑顔で返事し私に抱き着いた。あぁっ…!私の子がとんでもなく可愛いっ…!
(花子はぁん♡ただい…何やその餓鬼はぁっ?!)
(ピッ?!)ビクッ
(ちょっとキンジ。ユラがビックリするでしょ。)静かにして
(いやいや!何処で拵えてきてんっ?!)聞いてへんでっ!?