第4章 瑠璃色の瞳の少女
白ひげの元を去りフーシャ村に戻っている花子は何処と無く嬉しそうだった。穏やかな海を眺める彼女の目に小さな島が目に入る。
「何かしら?」
ポツンと海に浮かぶ島に何故か花子は興味を唆られた。折角だから少し調べてみようと朱雀に声をかけると、また寄り道するのかと呆れた表情を浮かべ言われるがまま彼女の指示に従った。
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「無人島…みたいね。」
見聞色の覇気で島全体の様子を伺ってみるが人の気配は無い。しかし、島の中心辺りに微量だが何かの気配を感じた。朱雀にお礼を伝え花子は気配のする方を目指しジャングルを進んで行くと、大きな湖がある場所に辿り着いた。
「綺麗…。」
木々から差し込む日の光が水面を照らし、その幻想的な風景に花子はほうっと息を吐いた。すると、湖の中心に何かを祀っている様な小さな祠がポツンと佇んでいる。
「…。」
気配はそこから感じられ、花子は警戒しながら足の裏にチャクラを纏わせ水面を歩き近付いて行った。近くで見ると祠は畳2畳程の大きさ。真っ白な陶器の様な物で作られたその入口は格子で閉ざされている。ツンと鼻を刺激する嫌な臭いに花子は布で鼻を覆った。
「う…?」
微かに聞こえる声。中を覗き込んだ花子は顔を歪ませた。鼻を付く腐敗した臭い。そこにいたのは3歳程の子供だった。
「な…ぜ、子供が…?」
「あ~…。」
海の様に澄んだ瑠璃色の瞳、肩まで伸びた艶やかな黒髪。子供らしい丸くふっくらした頬は白く柔らかそうだった。その場に似つかわしく無い姿の子供は覚束無い足取りで花子に近付いていく。
「うぅ~…。」
「?どうしたの?」
子供はヨタヨタと祠の奥に向かうと黒い塊の前にしゃがみ込む。格子には鍵がかかっており、花子はそれを刀で砕くと中に入っていった。
「っ!?」
中に入るとより一層悪臭が酷くなる。子供が見つめる塊に近付き花子は目を見開いた。
「…人?」
その塊は人の形をしていた。肉体は酷く腐敗しておりウジが沸いている。所々白骨化しつおり死んでから大分時間が経っているのだろう。